メニュー

荷主は協力要請5回で「警告」=国交省

2019.09.26

国土交通省は11月1日からの改正貨物自動車運送事業法の一部施行に伴い、法令遵守の徹底を図るため行政処分の基準を改正する。また、荷主対策のさらなる深度化を図るため、荷主勧告制度で行われる「警告」の発出について新たな基準を加える。所要の手続きを経た後、10月下旬ごろに通達を出し、11月1日から施行する。

荷主への「警告」の発出基準も改正

荷主に対する「警告」の発出に新たな基準を追加。現行の荷主勧告制度で荷主に「警告」が発出されるのは、事業者の法令違反行為に関与している場合に加え、事業者の法令違反行為に関係する荷主が過去3年以内にその法令違反行為と「同一の法令違反行為」に関して協力要請を受けていた場合。今回の改正により、過去3年以内に5回の協力要請を受けた場合も警告の対象となる。5回の協力要請につながった法令違反行為は、同一行為でなくともよく、支社などの区別も行わない。

これまで警告を発出する事案は、①荷主勧告該当性調査の対象となった事業者の法令違反行為に対して荷主の関与があるものと認められた場合、②同調査の対象となった事業者の法令違反行為に係る荷主が過去3年以内に当該法令違反行為と同一の法令違反行為に関して協力要請を受けていた場合だった。

悪質事業者に行政処分と「輸送安全確保命令」

事業者への処分基準の改正では社会保険等の未納付と損害賠償の支払能力確保義務違反を新設する。ともに20日車(1台の車両を20日運行停止)を課す。その他にも処分量定を引き上げる。
営業所の事業用自動車台数に関する事業計画変更違反は、現行では「届出違反」として警告対象だが、改正により「認可違反」として10日車を課す。車庫の位置違反と車庫の規模の確保違反にもそれぞれ10日車とする。これまでは車庫関連の違反かつ事業計画変更認可の違反で20日車となっていたが車庫関連単独の違反が処分対象となる。

また、悪質な法令違反行為に関する早期化以前の徹底を図る。一定の悪質な法令違反が常態化している事業者に対し、事業停止や車両停止など行政処分に加え、輸送の安全確保の命令を発出することとする。命令の発出後、一定期間後に監査を実施し、命令違反が確認された場合は事業許可の取消し処分を行う。
(2019年9月26日号)


関連記事一覧