味の素物流が1ヵ所積み、1ヵ所降ろしで拘束時間短縮
味の素物流(本社・東京都中央区、田中宏幸社長)は、低温幹線輸送で「1ヵ所積み、1ヵ所降ろし」に切り替えることでトラックドライバーの拘束時間を短縮する。関東から関西、関西から九州向けで実施しており、今後対象ルートを拡大する。7日に東京都内で開催した「秋の幹線輸送協力会」で幹線輸送戦略のひとつとして明らかにした。
低温幹線輸送に関しては、積み込み先や、降ろし先を複数ヵ所回ることが多く、また、冷凍食品はバラ積みのため待機時間も長くなりがちで、ドライバーの長時間拘束が課題となっていた。
冷凍食品のパレット化も目指したが、各社が自前のパレットで倉庫に格納するケースが多く、また、パレットで納品しても降ろし先で別のパレットへの積み替えが発生するなど、流通用パレットの運用が困難と判明。
そこで拘束時間の短縮に向け、複数ヵ所での積み回り、降ろし回りをやめ、トラック1台ごとに1つの積み地、降ろし地を割り当てることとした。積載率を向上させることでコストアップの影響を少なく抑えている。
なお、幹線事業部では、災害も含めてあらゆる環境下でも多種多様な輸送モードを駆使し、繁閑に左右されない安定的で高品質な付加価値の高い幹線輸送を実現するため、持続可能な協業体制と輸送モードの適正配分によるリスク分散を目指している。
その一環として、今年4月の組織改正により、幹線事業部を各輸送モード、各地域での協力会社との協力関係を強化するため、機能別に「中央集権型」「地方分権型」とに分けて専門性をより高めた組織に再編。
鉄道、船舶、自車に特化した専門部隊「マルチモーダルサービスセンター」を川崎に置き、全国を集中管理。一方のトラックは「コレクトセンター」を鶴見、西宮、福岡に設置し、地域密着型でエリア連携を充実させている。
今後、幹線輸送の料金の考え方についても、燃料費等の最低コストを保証しつつ、付加価値を加味した料金体系に切り替えていく方針。また、九州F‐LINEの福岡第一営業所で導入したトラック受付予約システムについて幹線輸送での運用もスタートさせる。
(2018年11月13日号)