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ドライバー職の有効求人倍率が3倍超に

2018.11.08

トラックドライバーの人手不足感が一段と高まりつつある。
厚生労働省が発表した9月のトラックドライバーを含む自動車運転者の有効求人倍率(常用、パート含む)は3・03倍となり、今年2月以来、再び3倍を超える水準となった。年末に向けて輸送需要が旺盛になる中で、ドライバー不足の深刻化がさらに進みそうだ。足元では、災害の影響によるサプライチェーンの乱れが残っており、トラック需給はさらに引き締まることが予想され、運賃水準が高騰しそうだ。

全業種の有効求人倍率も44年ぶりの高水準

9月の自動車運転者の有効求人倍率は、前月比0・05pt増、前年同月比0・23pt増。ドライバー職の有効求人倍率は2017年12月に3・09倍と3倍の水準を超え、翌18年1月、同2月も3・03倍、3・06倍と3ヵ月連続で3倍超えが継続。それ以降、2・7倍~2・9倍の間で高止まりが続いていたが、9月に再び3倍超となった。例年、年末にかけて倍率が高まる傾向にあり、しばらくは高い水準で推移するとの見通しが強まっている。

一方、9月の新規求人倍率は3・73倍となり、こちらも17年12月の4・24倍以来の高水準となった。前月比は0・14pt増、前年同月比では0・26pt増。

全業種の9月の有効求人倍率も1・64倍(前月比0・01pt増)となったほか、新規求人倍率も2・50倍となり、前月比0・16pt増となった。1・64倍という水準は1974年1月以来、44年ぶりの高水準。全業種で人手不足感が高まっており、業種間での労働力の奪い合いもさらに加速していきそうだ。

地域別では愛知が4・82倍に

ドライバー職の9月の有効求人倍率を地方別(労働局別)に見ると、東京が3・90倍、京都が4・27倍となっている。もっともドライバー確保が難しいのが愛知で4・82倍。やはり東名大を中心とした大都市部で人手不足感が顕著になっている。

国内荷動きが堅調に推移する中で、災害による鉄道コンテナ輸送の長期ストップなどでトラックへの需要が高まる状況が続いている。このまま年末繁忙期に突入すれば、再び深刻な車両不足が顕在化するとの指摘も増えている。
(2018年11月8日号)


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