「議員立法で事業法改正を」全ト協・坂本会長
全日本トラック協会(坂本克己会長)は12日、都内で理事会を開催した。坂本会長は挨拶の中で「真面目に事業を営んでいるトラック運送事業者が健全な経営ができるよう、議員立法で事業法の改正を進めたい。そのためのプロジェクトチームを立ち上げた」と述べ、貨物自動車運送事業法の改正を議員立法で進めていく考えを示した。
坂本会長は冒頭、西日本を襲った豪雨災害について、「被害に遭われた方々に心からお悔やみを申し上げる。全ト協としても、内閣府や各省と連携しながら緊急支援物資の輸送を行っており、対策本部も立ち上げた」と語り、各地方トラック協会にも支援や協力を求めた。
また、トラック業界の経営環境について「運賃値上げの効果で一部に明るい見通しも出てきたが、先般の日本経済新聞の主要30業種の景気見通しで、貨物運送はわずか3業種しかない〝雨マーク〟だった。運賃改定効果は出ている一方で、根源的にドライバーなど労働力確保に懸念があるというのがその理由だ」と述べ、ドライバーの待遇改善が急務だと訴えた。
さらに「そのためにも、平成2年(1990年)に施行された事業法を議員立法によって一部改正して、新規参入規制の強化や悪質事業者の排除、お行儀が良くない荷主への是正勧告などを強化することが必要だ。何よりも、真面目にやっている事業者が不利になるようなこと、悪貨が良貨を駆逐するようなことがあってはならない。まともな事業者が健全経営できるように改正していきたい」と語り、そのためのプロジェクトチームを立ち上げたことを明らかにした。「秋の臨時国会、来年の通常国会を見据えて、この話を進めていく。会員の皆さまからのご意見も頂戴していきたい」と語った。
先般、国会で可決・成立した働き方改革関連法については、「大事なことは正直な事業者、真面目な事業者が割りを食わないようにすること。改善基準告示の変更なども控えているが、全ト協を挙げてしっかり対応していきたい」と述べた。
なお、当日の理事会では、働き方改革関連法の内容などを厚生労働省の担当者が説明した。
(2018年7月19日号)