クレハなど5社が小口貨物の共同配送を開始
クレハ(本社・東京都中央区、小林豊社長)は16日、有機合成薬品工業(本社・東京都中央区、松井勝社長)、城北化学工業(本社・東京都渋谷区、大田友昭社長)他2社を含む福島県いわき地区に所在する化学メーカー5社で6月1日より、いわき市内の各社生産拠点から出荷する小口貨物の共同配送を開始する、と発表した。三菱ケミカル物流(本社・東京都港区、福田信夫社長)が共同配送の運用業務を受託した。
いわき発、全国の配送先が対象に
近年の物流環境は、トラックドライバー不足やそれに伴う運賃の高騰、輸送品質の低下(遅配、誤配、破損等)などにより、荷主にとって非常に厳しいものとなっている。こうした中、物流コストの削減、安定した輸送の確保、物流品質の向上等を図るため、いわき市所在の荷主主導により共同配送システムを構築する。
発着地域が特定された従来の共同配送とは異なり、今回の共同配送による配送先は全国を対象とする。集荷拠点はいわき市好間工業団地内に設置し、当面、貨物量の多い埼玉県および神奈川県に中継拠点を設置。荷主からの貨物はミルクラン輸送により集荷拠点に集め、当該拠点から埼玉県および神奈川県の中継地点までは共同配送の専用便により輸送し、その他の地域向けには当該集荷拠点から路線便で対応する。
共同配送のスタート時は化学メーカーが荷主の中心だが、混載可能であれば化学メーカー以外の貨物も取り扱うなど、様々な業種の荷主の参加を募る。今後、取り扱い貨物量の増加に合わせて、中京地区や阪神地区での中継拠点の設置および専用便による輸送を拡充する計画。
なお、共同配送は、参加企業の物流に関わる諸課題の解決を図るだけではなく、環境負荷の低減にもつながる取り組みとして進めていく。
(2018年5月22日号)