日本通運、仙台港経由のSea&Rail輸送開始
NIPPON EXPRESSホールディングスグループの日本通運(本社・東京都千代田区、齋藤充社長)は、自然災害発生時におけるバックアップ輸送体制を構築するため、新たに仙台港を経由するBCP対応Sea&Railサービスを1日から開始した。太平洋フェリー(本社・名古屋市中村区、猪飼康之社長)と物流の安定輸送に関する協定を締結し、輸送ルートを複線化することで災害時での安定した輸送サービスを確保する。
近年、地震や台風、集中豪雨などの自然災害が多発し、サプライチェーンに影響をおよぼすリスクが高まっており、代替の輸送手段・輸送ルートを求める声が高まっている。その中で、同社は貨物がとくに集中しやすい関東~北海道ルートのBCP対応ソリューションとして、鉄道貨物駅と港が近接する仙台を活用したSea&Rail輸送サービスを開発。仙台~苫小牧のフェリー航路を運航する太平洋フェリーと連携して、平常時から同スキームを運用することで、災害時に需要が輸送枠を可能な限り確保し、安定した輸送サービスを提供する。
同サービスの特長は、自然災害時に輸送ルートを複線化し輸送障害区間の回避を可能にすることで、BCP対策に有効なほか、環境にやさしい輸送サービスで顧客のESG経営に貢献する。また、「2024年問題」など労働力不足に対応したソリューションとしても活用できるほか、鉄道と海上輸送双方の輸送ルートを相互にシフトが可能となる。
日通では、「今次の太平洋フェリーとの提携を皮切りに、他のフェリー会社とも協議を進め、BCP対応Sea&Railサービスの拡充に取り組む」としている。
(2022年7月5日号)