山陽自動車運送、名古屋支店を23年度に移転・新設
山陽自動車運送(本社・大阪府東大阪市、細川武社長)は2023年度を目途に、愛知県一宮市で「名古屋支店(仮称)」を移転・新設する。豊富な保管倉庫を備えることで、路線便のターミナル業務と併せてロジスティクス業務の受託も図る。
新設する名古屋支店(完成予想図)は敷地面積約1万3000㎡、施設面積約8000㎡の2階建てで、1階プラットフォームが約3110㎡、2階倉庫部分が約4900㎡となる。また、別棟として事務所棟の建設も計画する。既存の名古屋支店に比べると、プラットフォーム面積は約3倍、倉庫面積は約18倍に拡張される。場所は名古屋高速道路・一宮東ICから1・1㎞、名神高速道路・一宮ICから2・7㎞の距離。用地取得費用を含めた総投資額は約34~35億円を見込む。
東日本と西日本を結ぶ運行便のスイッチ拠点としての活用も見込み、トレーラの旋回に必要な敷地を確保。トレーラヘッドを同所で切り替えることで、ドライバーの日帰り運行を可能とし、24年度施行予定の働き方改革関連法にも対応する。これに併せて、トレーラ車両も増車。現在は、沖縄便のコンテナを扱うための車両が大阪本店に10台あるが、ドライバーのけん引免許取得や教育などの準備を整えながら、段階的に車を増やしていく。併せて、フルトレーラの導入も検討していく。
倉庫を併設するとともに、運行車両の中継を担う基幹拠点のひとつとなる名古屋支店だが、同所では連絡運輸などで連携する路線会社のコラボレーションも視野に入れる。
倉庫併設型ターミナル山陽地方でさらに充実
同社ではレンゴーグループ入りした11年以降、働き方改革や3PL事業の拡大を目的として営業所の移転・新設を継続。14年に本社を置く大阪本店を移転・新設した後、16年には兵庫県内の3支店を集約した神戸支店を新設。18年には京都支店を、今年は2月に広島支店を移転・新設している。今後も、移転および新設営業所には必ず倉庫を併設し、ロジスティクス事業の拡大につなげる。
さらなる営業所の開設も検討し、そのひとつが兵庫県尼崎エリア。16年に神戸支店を集約した際に、同支店と大阪南支店の間に位置する尼崎エリアのネットワークが薄くなっていた。同地域は工場地帯であり、豊富な物量が見込めることもあって新支店の開設を計画する。同様に、尾道支店を廃止した岡山支店と広島支店の間に位置する広島県福山地域でも営業所の新設を検討していく。
これらに併せて、既存運送会社のM&Aや提携などによる路線ネットワークの伸長や強みエリアの深耕も図る。
(2021年7月15日号)