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トナミHD新中計、23年度に売上高1600億円

2021.05.18

トナミホールディングス(本社・富山県高岡市、綿貫勝介社長)は12日、2023年度を最終年度とする新たな中期経営計画「TONAMI New Plan 2023」を発表した。3PLと特積み事業の連携強化により、中長期的での持続的成長を実現するほか、DXによるさらなる業務生産性の向上を目指す。前中計でも取り組んできたM&Aもさらに積極化する。最終年度の23年度に連結売上高1600億円、営業利益80億円の達成を掲げた。

20年度で終了した前中計の3ヵ年では、ケーワイケー、新生倉庫運輸、御幸倉庫のM&Aをはじめ多方面での取り組みを実施したが、売上高や利益目標はコロナ禍による需要低迷が響き未達となった。「ただ、中計前の実績との比較では売上高、利益ともに上回っており、持続的な成長は継続できた。また、コロナ禍の中でコストコントール機能が強化され、IoTによる業務効率化が進んだことは収穫だった」(高田和夫専務)と総括した。

新中計では、「DXによる業務効率化と物流サービスと輸送事業の連携強化により、中長期的な成長を継続する」ことを基本方針として、①特積みの複合ビジネスとしての戦略展開によるロジスティクスビジネスの成長、②TDX(TONAMIデジタルトランスフォーメーション)による業務効率の向上、③多様な人材を採用確保、事業形態や地域特性に応じた人事制度の構築、④自己資本比率の向上と安定した資本政策、⑤経営品質(CSR、BCP)と成長性(ESG)評価や社会的認知度の向上――の5点を成長戦略に掲げた。
具体的には、特積み事業を中心とした輸送サービスと3PLをさらに連携強化することでさらなる成長を図る。倉庫施設の強化では、グループの京神倉庫が今年9月に「大阪箕面倉庫」(大阪府箕面市)を、トナミ運輸が今秋に「春日部流通センター」(埼玉県春日部市)を開設する予定。また、M&Aをさらに積極化することで事業再編を加速させる。TDXでは業務生産性の向上による事業基盤の強化を図るほか、輸送事業におけるペーパーレス化にも取り組む。

期間中の設備投資は合計200億円を計画。特積み事業における新店所や新たな倉庫拠点、既存施設の増改築などのネットワーク・施設の増強に加え、システム投資や車両代替えなどに充当する。
数値目標では、長期ビジョンとして「特積み系総合物流事業者トップ3/売上高2000億円/営業利益100億円」を掲げた上で、そのための第一ステップとなる23年度の目標として売上高1600億円(20年度実績比18・8%増)、営業利益80億円(23・9%増)、営業利益率5・0%(0・2pt増)などを掲げた。

綿貫社長「M&A、積極的に動く」

会見で綿貫社長は、前中計について「結果として未達に終わったが、コロナによる影響がなければ利益計画は達成できたと考えている」と述べた上で、「新中計は売上高1600億円という高い目標を掲げたが、M&Aや設備投資を積極化することで達成可能だと考えている。前中計でもいつくかのM&Aを手がけたものの、どちらかというと受け身で、来た案件に対応した面が強かったが、今後はこちらから積極的に動いていきたい」とM&Aを積極化させていく考えを示した。

また、資本業務提携した第一貨物(DTホールディングス)や久留米運送との協業拡大については「エリア内で重複している店所を共同化することを検討している」と述べたほか、3PL事業については、「コロナ禍においても順調に伸びている。今後は提案営業ができる人材をさらに増やしていくことが課題だ」と語った。
(2021年5月18日号)


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