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セイノーHD、特積みから「ロジのセイノー」へ進化

2020.05.26

セイノーホールディングス(本社・岐阜県大垣市、田口義隆社長)は21日、2020年度から3ヵ年を期間とする中期経営方針を発表した。「Connecting our values ~すべてはお客様の繁栄のために~」をスローガンに、デジタルプラットフォームの構築や外部リソースとの連携によるオープン・パブリック・プラットフォーム(O・P・P)の進化を通じて、顧客の課題解決に貢献する「価値創造型総合物流商社」を目指す。また、重点戦略として「〝特積みのセイノー〟から〝ロジのセイノー〟へ」を掲げ、ロジ・トランス機能のさらなる強化を打ち出した。22日に配信された動画で田口社長(写真)は「お客様の課題解決に向け、あらゆる機能を内外問わずつないでいく」と方針の趣旨を説明するとともに、「デジタルPFを進めることで、〝ロジのセイノー〟へ軸足を移していく」と語った。

価値創造型総合物流商社へ

まず、前期で終了した前中計の振り返りでは、17~19年度の3ヵ年で売上高が約600億円伸長(5675億円→6271億円)し、営業利益も19年3月期に目標とする300億円を達成したとして、一定の成果を強調。とくに輸送事業では、ロジ・トランス機能の拡充や、阪急阪神エクスプレスとの業務提携による国際・国内の一体化、福山通運や佐川急便との共同運行などO・P・Pの進展、昭和冷蔵の子会社などによるコールドチェーンの推進などが実現した。

新たな中期経営方針では、前中計で構築した基盤をさらに進化させ、グループ機能を最大化される価値創造型総合物流商社への発展を目指す。また、O・P・Pをさらに加速させることで「お客様の課題解決につながる新たな価値を創造していく」(田口社長)とした。

ロジ領域での拠点新設や投資を加速

中核事業である輸送事業の重点戦略では、ロジスティクス事業の強化を前面に打ち出し、従来の特積み主体の事業形態からロジ・トランス機能のさらなる拡大を図る。具体的には、3ヵ年の間に首都圏3ヵ所、中部2ヵ所、関西2ヵ所で新たな拠点を設け、グループ全体での保管スペースを21万坪(約69万㎡)以上に拡充。また、顧客の生産工程を支援するファクトリー機能を拡大する。ロジ事業への投資は3ヵ年で620億円+αを見込む。

期間中の全体的な投資額は1148億円を計画。内訳は施設投資に約800億円、車両投資に約260億円、新規事業開発やO・P・P構築など戦略投資で約91億円を予定している。なお、数値目標については、新型コロナウイルスの感染拡大による影響が不確定なため、現段階では「未定」とし、確定後速やかに開示する。

O・P・Pで日本全体の効率化を

動画による説明の中で田口社長は、生産人口減少や国内市場縮小で「日本全体の効率化が大命題となっている」として、グループ内外の経営資源を効率的に〝つなぐ〟必要性を強調。O・P・Pについて「オープンで公共性の高いプラットフォームを標準型にしていきたい」と述べた。また、顧客の効率化・生産性向上に資するため「消費者起点による情報逆流をデジタルプラットフォームでつないでいく」と語った。
(2020年5月26日号)


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