日食協がトラック入荷受付・予約システムの運用開始
日本加工食品卸協会(日食協、國分晃会長)では4月から、日食協標準の「トラック入荷受付・予約システム」を本格普及させる。トラックドライバーの荷待ち時間短縮に向け、ドライバーの操作性にこだわった日本初となる“業界標準”のトラック入荷受付・予約システムを開発したもので、第1弾として3月中に関東地区の卸2社の各1拠点で運用開始する予定。2019年度に30拠点での稼働を目指す。
業界標準でドライバーの混乱や負担を軽減
日食協の物流問題研究会では、業界標準システムの開発を目指し、農林水産省の17年度補正予算における支援事業を活用し、ITベンダーに依頼してクラウドサービス型の「トラック入荷受付・予約システム」を開発。卸業界が共通のシステムを運用することによって、異なる卸の物流拠点でドライバーの混乱や負担を軽減する。
利用することで入構時刻の事前予約によりトラックの集中・混雑を緩和し、ドライバーの荷待ち時間短縮と庫内作業の平準化が可能になる。また、バースの空き状態を管理し、待機中のドライバーの呼び出し・バース誘導により作業の滞留を解消。受付から作業開始、終了の実績収集や分析による業務の効率化にも活用できる。
利用対象は会員と賛助会員(食品メーカー等)。スマートフォン、タブレット、パソコンの環境があれば月額サービスとして導入できる。利用者視点に立った機能・画面を搭載し、例えば、待機時間実績の照会や、ドライバーが複数卸センターを予約する際のログイン効率化に寄与する“名寄せ機能”(特許出願中)も備えている。
日食協では、業界標準システムの開発・運用を“協調領域”と位置付けており、「まずは入荷受付のシステム化によるデジタル化からスタートし、その記録やデータを基に各物流拠点でのバースの利用状況の実態を把握した上で、次のステップとして予約枠の設定やマネジメントのツールとして活用していってほしい」としている。
国土交通省のトラックの荷待ち時間調査によると、輸送品目別にみて30分以上の荷待ち時間の発生件数は加工食品が最も多く、メーカー~卸の物流でトラックの待機時間が課題となっている。着荷主側の対策の一環として、日食協では会員各社におけるトラック入荷受付・予約システムの順次導入を目指す。
(2019年3月12日号)