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【働き方改革】トラック待機問題で早急な取り組みも=日冷倉

2017.12.14

日本冷蔵倉庫協会(大谷邦夫会長)は8日、年末記者会見を開き、2017年度の主要活動について報告した。今年度はトラックの待機時間対策にかかわる自主行動計画を策定したが、個々の事業者が運用面で早急に取り組むべき事項をまとめ、年明け以降に会員事業者に周知する方針を明らかにした。

大谷会長は冷蔵倉庫の荷動きについて「今年度は全体として堅調に推移しているのではないか。首都圏で年初低位だった在庫水準も春までには帳尻が合ってきて、ここへ来て東京、川崎などは満庫状態で、関西も肉類を中心に順調。ただ、北海道は昨年に続きサケ、イカ、サンマなど水産物が不漁で、農作物も昨年の台風の影響が残り、冷蔵倉庫にとって厳しい状況が続いている」と説明。

7月に策定された新たな「総合物流施策大綱」に言及し、「物流の生産性向上に向けた6つの視点のひとつに『革命的に変化する』との方針が標榜された。物流業界でもIoTやAI等の活用による省人化の技術開発などは、今後の競争力を左右するコア・コンピタンスとなる可能性を秘めている。物流ビジネスの重要性はますます高まっており、冷蔵倉庫業界の物流サービスの高度化を協会としてサポートしていきたい」と挨拶した。

河合弘吉副会長(総務委員長)は、冷蔵倉庫の大型化傾向を示した上で、貨物動向としては原料貨物の減少と冷凍食品等加工品が伸びていると説明。冷凍食品の入庫トン数は増えているが回転率がよく、水産物は入庫トン数は若干減っているものの、その貨物特性から在庫率は高水準にあるとした。

食品衛生法改正を念頭に、HACCPの手順書作成にも着手

西願廣行副会長(業務委員長)は、長年見直しがされてこなかった業務マニュアルを改訂し、「冷蔵倉庫業務標準マニュアル」として会員に配布したことを報告。また、食品衛生法の改正動向を踏まえ、HACCPによる衛生管理の手順書の作成に着手したことを明らかにした。

同委員会内の物流効率化部会では6月、トラックの待機時間問題への対応として「トラック運送業における適正取引推進、生産性向上及び長時間労働抑制に向けた冷蔵倉庫の自主行動計画ならびに改善協力要請について」と題する冊子を作成。全国で周知のための説明会を開催している。
併せて、自主行動計画とは別途、トラックドライバーの労働環境改善に向け冷蔵倉庫としてできる早急な取り組みがあるとして、冷蔵倉庫での並び・誘導方法、バースの管理方法、負担の少ない予約の仕組みなどを検討した上で、年明け早い時期に会員に周知する計画。標準運送約款改正や待機時間料請求への対応についても「統一的な方向性」を打ち出すとした。

松田浩副会長(環境・安全委員長)は、冷媒問題への対応として脱フロン社会構築に向けた業務用冷凍空調機器省エネ化推進事業について、「冷凍冷蔵倉庫分野で69事業者・82事業所が採択され、うち会員は33事業者・39事業所だった」とし、一次募集で予算上限となったことも説明した。

冷蔵倉庫の使用冷媒については、HCFC68%、自然冷媒26%、HFCその他6%と報告。物流拠点の低炭素化促進事業について会員事業者の採択がなかったことに言及し、「冷蔵倉庫は電力の使用量が大きく、照明をLED化しても省エネ率が上がらない。リチウムイオンフォークも低温環境下では使えない」と同事業利用の課題を示した。

大石竜司理事(税制補助金特別委員長)は、11月14日に物流倉庫振興推進議員連盟に対して行った、18年度の予算編成・税制改正に関する要望について説明。倉庫における先進技術を利用した省エネ型自然冷媒機器等省エネ設備・機器導入補助の継続拡大、老朽化施設建て替え促進のための用地確保を求めたことを報告した。
(2017年12月14日号)


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