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JR貨物/22年3月期2Q 災害影響も増収、経常損失改善

2021.11.18

JR貨物(本社・東京都渋谷区、真貝康一社長)の2022年3月期第2四半期の連結業績は、大雨による山陽線不通などの影響があったものの、前年同期がコロナによる影響を大きく受けた反動から増収を確保した。また、営業利益、経常利益とも損失を計上したが、赤字額は前期より改善した。通期では増収、経常黒字確保を見込む。

連結売上高は前年同期比1・7%増の905億8700万円、営業損失は4億6400万円(前年同期は13億8100万円の損失)、経常損失は8億1100万円(同18億2300万円)。純損失は東京レールゲートEASTの開発に伴う撤去費用などを特損計上したため赤字幅が拡大し、24億8900万円(同19億5500万円)だった。なお、収益認識基準の適用により、20億円程度が減収となった。

セグメント別の状況では、鉄道ロジスティクス事業の売上高が2・8%増の813億円、営業損失が57億円(同65億円)。8月に発生した大雨により山陽線が不通になった影響があったものの、コロナ禍が続く中でも積合せ貨物や紙・パルプが増送したことで運輸収入が増加し、損失額も縮小。なお、山陽線の輸送障害で20億円程度の減収となったが、約8割分を保険適用でカバーした。

不動産事業は売上高2・1%増の101億円、営業利益1・6%増の51億円の増収増益となり、業績を下支えした。

通期では、売上高1918億円(前期比2・4%増)、営業利益47億円(86・0%増)、経常利益37億円(2・55倍)、当期純損失900万円の増収増益を見込む。今年5月時点での予想値からは大幅な下方修正となるものの、経常黒字を確保する。

「厳しい状況」も黒字確保に意欲

12日に本社で会見した経営統括本部長の犬飼新・取締役兼常務執行役員(写真)は、2Q決算について「鉄道ロジスティクス事業は、コロナの影響を大きく受けた前年同期よりは改善したものの、厳しい状況が続いており、〝関連事業が支える〟という構造に変わりはない」との認識を示した。通期見通しについては「10月、11月と足元の荷動きは厳しい状況が続いているが、緊急事態宣言が明けて鉄道コンテナの品目ごとの回復状況などを想定した上で予想値を出している。一方で、不要不急のコスト抑制にも力を入れていく」と述べ、黒字確保への意欲を強調した。
(20121年11月18日号)


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