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「現場の人が誇りを持てる業界に」=全ト協・坂本新会長が就任会見

2017.07.20

6月29日付で全日本トラック協会の新会長に就任した坂本克己氏が13日に都内で会見し、「現場で働いている人に誇りを持ってもらえる業界にしたい。そのためには、荷主から適正な運賃・料金を収受することに尽きる。そのことに、あらゆる角度から取り組む。ドライバーの労働条件改善とともに安全には非常に大きなコストがかかるが、中小事業者が再生産可能な健全経営ができるきっかけをつくりたい。今日言って明日実現できるような簡単なものではないが、行政のご指導を得ながら任期中に方向性だけはつくりたい」と抱負を語った。

10月に標準運送約款が改正、公布され、運賃と料金の範囲が明確化されることについては、「運賃は『車上受け』『車上渡し』を指し、荷待ちや附帯作業は『附帯料金』として区別される。我々トラック事業者からすると運賃と料金は性格が異なる。荷主によってはこれまで、これらが一括で“運賃”とされてきたが、今回それがはっきり区別され、“サービス”で行っていた附帯作業をしっかり有料化できるきっかけになる」と期待感を示した。

全国各ブロックまわり事業者の“生の声”を

また、標準運賃の制度化の可能性については「“標準運賃”や“最低運賃”といった形での法制化は難しいと思うが、それに近いある種の拘束性を担保できる制度ができるかどうか――。地域や業態によっても要望が異なるので、アンケートではなく全国9ブロックの事業者の“生の声”を聞くことで最大公約数的な要望をしっかり把握したい」と語った。

軽井沢スキーツアーバス事故を契機に貸切バス業界で導入された事業更新制をトラック分野でも制度化することについては、「行政コストがかかるので難しい話だ。ただ、トラック業界は公正競争が担保されておらず、ひょっとしたら“悪貨が良貨を駆逐している”かもしれない。制度的な形ではなく、それに代わるような意義、価値のあるルールを考えたい」と慎重な構えを見せた。

目下最大の課題である人材確保および長時間労働是正に向けた働き方改革については、「原価に基づく適正運賃・料金をきっちりと荷主から収受することに尽きる」と強調。「生産性向上に取り組み、その“果実”を再生産や現場のドライバーの労働条件改善のために使う。労働時間を単に減らすだけでなく、仕事の生産性・効率性をいかに高めるかだ。誇りを持って人生を賭けて働きたいと思えるような産業にすれば、おのずと人材は集まる。それには適正な運賃・料金を収受することが大事だ」と語った。

(2017年7月20日号)


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