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ホワイト物流推進運動に手ごたえ=国交省・奥田自動車局長

2019.05.09

国土交通省自動車局の奥田哲也局長(写真)は4月25日、専門紙記者と会見し、トラックドライバーの労働環境改善や労働生産性向上に向けた「ホワイト物流」推進運動について、趣旨に賛同する企業から、改善に取り組むことを宣言する「自主行動宣言」が寄せられていると明かした。その上で、5月から全国で開催する説明会や同運動のポータルサイトの活用を通じ、さらなる啓発に向けて取り組む意欲を示した。

製造・卸・小売から「ホワイト物流」自主行動宣言

奥田局長は「製造・卸・小売など様々な企業が『ホワイト物流』推進運動に賛同する声を伝えてきている。各社からは改善に取り組むことを表明した自主行動宣言を寄せていただいている」と明かした。運動開始すぐに有力な荷主による理解と協力など手ごたえを得られたとし、今後の運動のさらなる加速に向け、「大手以外の荷主にも広く参加を呼びかけるため、5月から全国数ヵ所で説明会を開催するとともに、事業者団体の会議などの機会に啓発を図っていく。加えて同運動のポータルサイトを活用し、荷主・国民への啓発活動を促進していく」と表明。その上で「今後ますます多くの企業が運動の趣旨に賛同し、改善に向けて取り組んでいただくことを期待している」と語った。

また、労働環境改善に取り組む優良トラック事業者を顕彰するホワイト経営認証制度(仮称)については「制度設計に向けたアンケート調査の結果を集計し、分析しているところ。それを踏まえ5月中をメドに認証実施団体の公募を開始する」と説明した。

改善基準告示の見直しは具体化していない

4月1日から施行された働き方改革関連法について、同法を審議した衆院厚生労働委員会により、自動車運転業務では改正法施行後5年後の特例適用までの間、改善基準告示の見直しを行うなど必要な施策の検討を進めるという付帯決議がなされている。これについて奥田局長は「改善基準告示の見直しについては、具体的な動きは始まってはいないものの、労使ともに関心の深い事柄であり、検討が始まるに際しては国交省としてもしっかり取り組んでいく」と述べた。

「令和」の時代の行政、変化や技術発展に対応

元号が平成から令和となったことに関連し、平成時代の自動車行政について振り返り、トラック運送事業では「平成2年の物流2法改正から平成30年12月の貨物自動車運送事業法の改正までを見渡すと、大きく見れば規制緩和から始まり、その後の若干の修正の流れだといえるのではないか」と指摘。「自動車運送に関わる行政は大きな転換点を迎えつつあるように感じている」とした上で「令和の時代の始まりに際し、従来のあり方にとらわれず、社会の変化や新技術の発展に対応していく」と展望した。
(2019年5月9日号)


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