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八戸~苫小牧航路に新造船が就航=川崎近海汽船

2018.05.01

川崎近海汽船(本社・東京都港区、赤沼宏社長)は4月25日から、八戸港〜苫小牧港を結ぶフェリー航路で新造船シルバーティアラの運航を開始した。同航路では従来、シルバークイーン(7005総t)を運航していたが、最新鋭のフェリー船の投入でトラックの搭載車両数を約2割拡大したもの。前日の24日には就航を祝う式典や船内見学会が八戸市内で開かれ、関係者らが多数出席した。

シルバーティアラは総トン数約8600t、全長約148・8mで航海速力は19・7ノット。トラック積載能力は82台(12m換算)とし、ドライバールーム72室を備える。苫小牧港23時59分発〜八戸港翌7時30分着、八戸港13時発〜苫小牧港20時15分着便でデイリー運航する。
船内は紫色を基調とした高級感のあるデザインを施し、オーシャンビューシートを新設するなど快適性とプライベート感を追求した。ドライバールームは全室個室となっており、ドライバー専用の浴室や休憩ルームも完備した。

八戸〜苫小牧航路はシルバーティアラを含めて4隻がデイリーで運航し、トラックの年間輸送量は16万台に上る。ここ数年の輸送量は横ばい~微増傾向が続き、「安定的に推移している」(岡田悦明・川崎近海汽船フェリー部部長)という。

貨物の約半数を宅配など生活・日用雑貨品が占め、そのほか食料工業品、水産・農産品などを主に輸送。八戸発では札幌ドームで行われる音楽イベント用の資材などもトラック100両規模で運ばれるほか、苫小牧発でも生きた牛を輸送するなど幅広い貨物需要に応えてきた。
他方で、「ドライバー不足や労務管理への対応と輸送のスピードをバランスよく両立できる輸送モードとして需要が高まっており、今後さらなる拡大の余地はある」(赤沼社長)として、今回の新造船の投入を決めた。

24日に八戸市内の八戸パークホテルで開かれた就航祝賀会で赤沼社長は「八戸~苫小牧航路は就航から45年が経ち、2006年に1日8便となった後も輸送量は年々増加しており、輸送力の拡大が各方面より熱望されていた。公共交通機関として大きな役割を担い、安全・安定運行に努めたい」と抱負を述べた。

また、来賓を代表して挨拶した三八五流通の泉山元社長も「ドライバーズルームの個室は大変快適で、プライバシーを守った充実した施設となり、ドライバーも喜ぶだろう。海が見える席を設けるなど船内設備も行き届いた素晴らしい船であり、一般顧客の代表としても、心から御礼申し上げたい」と就航を歓迎した。

6月には室蘭〜宮古航路の新規就航

シルバーティアラの就航に合わせて注目されるのが、6月にシルバークイーンが新規就航する、宮古~室蘭航路。国内フェリー便で新規路線の開設は珍しい上、岩手県内では初めての定期フェリー便の就航で、室蘭港としても08年に東日本フェリー(当時)が撤退して以来のフェリー便復活となる。

背景にあるのは、復興支援道路の開通計画だ。八戸〜仙台を結ぶ全長359㎞の三陸沿岸道路をはじめとする自動車専用道路でありながら通行料は無料。今年3月現在で既に約6割が供用中にあり、全線開通の折には「東北の物の流れは大きく変わり、八戸〜苫小牧航路と宮古~室蘭航路をラウンドで利用するようなケースも出てくるのではないか」と赤沼氏は話す。
(2018年5月1日号)


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