ロコンドとマガシークが在庫とサイトをシェアリング
靴とファッションの通販サイト、LOCONDO.jpを運営するロコンド(本社・東京都渋谷区、田中裕輔社長)は19日、MAGASEEKおよびd fashionを運営するマガシーク(本社・東京都千代田区、井上直也社長)と相互出店契約を締結した。双方の倉庫在庫を双方のサイトで販売する「在庫シェアリング」と「サイトシェアリング」の取り組みで、在庫の分散と欠品を抑制するとともに、注文後、より早く商品を届けられるようになる。
第二倉庫を確保、総面積は2・5倍に
今回の相互出店契約はロコンドが目指す「圧倒的な第2位グループ」の確立を目的とするもの。通称「MAGALO同盟」と称し、取扱高300億円超のバーチャルグループが誕生したことになる。双方が保有する在庫情報の共有が可能になり、大幅な品ぞろえの拡大を実現し、ECサービスにおける取扱高増加を見込む。
ファッションECが増えれば増える程、在庫が分散し、その結果、欠品や在庫余剰が起きやすい。これを解決するため、ショップ側では在庫をファッションECに預けず、「在庫データ」のみをファッションECと連携し、注文が入ったら自社倉庫から各ファッションECの倉庫に都度、出荷する「受発注型」モデルが生まれた。
しかし、こうした受発注モデルは、システム開発・運営コストがかかるため、大手ショップ以外は投資が困難。消費者に商品が届くまでにおよそ1週間かかり、また、実物在庫が倉庫にないため、欠品が起きる場合もある。「MAGALO同盟」では在庫の分散を抑制しながら、受発注型モデルの問題点の解決を目指す。
今回の取り組みでは、MAGASEEK倉庫在庫をLOCONDO.jpで販売し、消費者から注文が入った場合はMAGASEEK倉庫から直送。ロコンド倉庫在庫をMAGASEEKやd fashionで販売する場合も同様となる。このスキームにより欠品なく、早く商品を届けられ、各ショップはシステム開発費用を投資することなく、在庫の分散を抑制できる。
ロコンドではMAGASEEK倉庫で保管されているブランド、とくに「アパレルブランド」をLOCONDO.jpで販売することによって、LOCONDO.jpではまだ弱いアパレルカテゴリーを強化。MAGASEEK倉庫で撮影された商品情報を共有するため、追加的なスタジオ投資をせずに、アパレル商品を大幅に増やせる。
また、ロコンド倉庫在庫をMAGASEEKだけでなくNTTドコモが運営するd fashionでの販売も可能になるため、顧客層が大幅に増加。d fashionではdポイントを使ってロコンド倉庫在庫を購入することも可能になるため、これまでリーチできなかった顧客層にロコンドを知ってもらうきっかけにもなる。
なお、ロコンドではラオックスと、EC事業の強化およびプラットフォーム事業の強化を図っていくこととし、ラオックグループの保有する靴商材をロコンド倉庫に移管し、LOCONDO.jpで販売していく予定。また、現倉庫である「GLP八千代」近隣に第二倉庫を契約し、2020年4月から稼働予定。総面積は現在の2・5倍以上に増加し、「取扱高1000億円」までのキャパシティを確保できる見込み。
(2018年4月26日)