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ワコール流通が自動搬送ロボットを導入

2018.04.26

ワコール流通(本社・滋賀県守山市、牧邦彦社長)では、物流センターの省力化・省人化を推進する。今春から、中核拠点である「守山流通センター」で、Doog(本社・茨城県つくば市、大島章社長)の自動搬送ロボット「サウザー(THOUZER)」を導入。実際に運用しながら効果的な使用方法や応用方法を検証する。庫内作業員不足、高齢化が予想される中、各種物流新技術に精通した人材を早期に養成したい狙いもある。

現場で実用できるロボット機能と機動力をコンセプトとした「サウザー」は、「人や台車の自動追従機能」と「無人での自動ライン走行」により人の運搬作業を補助するロボットで、1台2役のハイブリッドな使い方ができ、各現場でフレキシブルに対応できる。

ワコール流通ではまず1台を購入し、現時点ではピッキング後の製品を方面別・運送会社別の出荷場所に移動させる際の利用等を想定する。より多くの製品を一度に運べるようにするため、治具を使った連結方法もトライアルする。

牧社長は「使ってみなければ知見が蓄積できない。使い倒し、使いこなし、良い使い方を見つけるために思い切って1台購入した。こうした新技術の原理・原則、勘所を判断、応用できる人材を育成したい」と話す。

さらに、「自動搬送機メーカー側の説明だけをうのみにして、その機能しか使わないのではもったいない。実際にどう応用するかについて『自分たちが全権を握る』覚悟がなければ、導入しても意味がない」と話す。

ワコール流通が扱う下着などのデリケートな製品はピッキングの自動化が難しく、手作業に依存せざるを得ない。ただ、物流センター内での商品移動など自動化・機械化できる工程への各種設備・システムの導入を積極的に進めている。

5月から「伏見流通センター」で運用を開始するのが、返品計上・再生業務用のカメラ認証システム。大日本印刷(DNP)と共同開発して導入したもので、従来は目視と人海戦術で行っていた返品の仕分けを効率化する。

こうした業務は従来は商品知識のあるベテランのスタッフが行っていた。システムの導入によりテーブルに置かれた商品のラベルの画像を読み込むと商品マスターと紐付けされ、熟練者でなくても作業を行えるようになる。
このほか固定型の自動値札付けシステムの導入により生産性を25%アップさせた。今後は物流センター内の作業の進ちょくをデジタルサイネージで共有し、将来的にはAIも活用しながら人の配置と作業の不均衡の解消を目指す。
(2018年4月26日)


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