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【働き方改革】トラック春闘は1万1000円中心=交通労連

2018.01.23

交通労連(山口浩一中央執行委員長)は17日、ホテルマリナーズコート東京でトラック部会の中央委員会を開催し、春闘方針を決めた。賃上げ要求は「1万1000円中心」となった。内訳は、定期昇給分と賃金カーブ維持分1・5%(3699円)として3700円、賃金改善分ならびに格差是正分として3・0%(7397円)として7300円。率換算では所定内賃金×4・5%(1・5%+3・0%)となる。前年と前々年は同額の「1万1000円中心」、3年前は「1万900円中心」だった。また、臨時給は昨年と同額の年間1人平均100万円中心に決めた。

挨拶に立った山口委員長は「トラック協会の発表では、会員企業の60%以上が過去最高益を更新するなど好調を迎えている状況だ。春闘での要求額は昨年と同額であっても、実績は昨年以上を確保できるように交渉に当たっていただきたい」と述べた。

春闘をめぐる状況については、「企業側は人手不足に対応するため賃金を上げていこうというマインドは持っており、われわれも組合員の期待に応えられるよう、賃上げを引き出していかなくてはならない。今期の春闘は重要な、最大のチャンスだと認識して闘いを進めていくべきだ」と強調。

また、運送業界が安定的に持続していくためには働き方改革の推進が重要であるとの認識を示した上で、「長時間労働が抑制されても賃金は上がらず、労働時間短縮の結果、収入低下ということではいけない。賃上げと働き方改革への対応という両局面を踏まえて闘う必要がある。両方がうまくリンクするように交渉を行ってほしい」と訴えた。

さらに、交通労連がオブザーバーとして国交省のトラック運送業の適正運賃・料金検討会に参加したことに触れ、「国民生活を支えるインフラである物流をなくすわけにはいかないという考えで、国もさまざまな施策を打っている。運賃に関しては独禁法のこともあり、標準運賃あるいは最低運賃というかたちで示すことはできないが、標準運送約款を改正して運賃と料金の区別を明確にすることで、事業者が荷主と交渉し、適正な運賃・料金の収受につながるように支援している。これまでの交通労連の訴えが、ようやく社会的にも受け入れられ、国としても真剣に対応し、施策に結び付いてきたのではないか。検討会の場では、荷主と運送業者とが運賃はどのように構成され、どう積算されているかを明確にするための議論も行っていく」と説明した。

さらに「予定通りだと来年の10月には消費税が引き上げになる。駆け込み需要により物流が麻痺してしまう懸念がある」と指摘した。
(2018年1月23日号)


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