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岸田首相、「物流革新・賃上げ」に強い決意

2024.02.22

岸田文雄首相は16日、首相官邸で物流革新・賃上げに関する意見交換会を開催した。岸田首相のほか林芳正内閣官房長官、齋藤健経済産業大臣、坂本哲志農林水産大臣、斉藤鉄夫国土交通大臣、自見はなこ内閣府特命担当大臣、松村祥史国家公安委員長、古谷一之公正取引委員会委員長ら政府要人が出席。荷主・物流業界からは日本物流団体連合会(物流連)の真貝康一会長、全日本トラック協会の坂本克己会長、ヤマト運輸の長尾裕社長、佐川急便の本村正秀社長、日本郵政の増田寛也社長、全国農業協同組合連合会(全農)の折原敬一会長、日本経済団体連合会(経団連)の永野毅副会長らが出席した。

「物流の革新を実現していく」=岸田首相

岸田首相は「物流の2024年問題は、我が国の生産年齢人口の減少に伴い、年々深刻化していく構造的な問題であり、物流業界のみならず、荷主である産業界、消費者、そして政府が同じ危機感を持って取り組む必要がある」と強調し、「政府が同日策定したインフラ革新を含む中長期計画に基づき、産業界とも連携し、物流の革新を実現していく」と表明。「昨年実施した点検で道路貨物運送業の価格転嫁状況はワースト・ワンの業種という結果だった。労務費などの適正な価格転嫁により、物流に関わる中小零細事業者の賃金を大幅に引き上げる必要がある。来月、トラック運送業の標準的な運賃を8%引き上げるとともに、荷役対価や下請手数料などの各種経費も新たに加算できるよう措置した。これにより10%前後の賃上げが期待できる」と述べた。

さらに「公共事業の積算に活用する労務単価を引き上げ、来月から適用するが、一般運転手は最も高い水準の7・2%の引き上げとなる。これに荷待ち・荷役の対価が加算されると事実上10%を上回る引き上げとなる。併せて構造的な対策として、13日に賃上げ原資確保のための適正運賃導入や物流効率化を進めるための法案を閣議決定し、今国会に提出した」と賃上げに向けた取り組みの進捗を説明。

意見交換会で業界団体が物流革新をはじめ、賃上げや労働環境改善に向けた取り組みについて説明したことを受け、「トラックドライバーの賃上げに向けて積極的に取り組んでいくとの決意表明を受け止め、大変心強く感じている。賃上げと価格転嫁、ひいては物流革新に向け、政府、荷主、物流事業者が一致団結して、我が国の物流の持続的成長の実現に向けて、全力で取り組んでいく」と意欲を語った。

「物流の持続的成長へ」=物流連・真貝会長

意見交換では物流連の真貝会長が社会インフラである物流を安定的に維持するため「物流業界を魅力的なものとし、担い手を確保するためにも、適正な運賃・料金の収受や取引適正化に取り組み、昨年を上回る賃金の引き上げを図る」と述べた。加えて「激甚化する自然災害や国が目指すカーボンニュートラルへの対応など物流業界が直面している様々な課題を解決し、物流の持続的成長を実現していくため、国をはじめ荷主・一般消費者など関係者すべてと連携・協力し〝モーダルコンビネーションの最適解〟を追及していきたい」と意欲を語った。
(2024年2月22日号)


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