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3団体が電力高騰対策を要望=自民党・物流倉庫議連

2022.11.15

自民党物流倉庫振興推進議員連盟は9日、自民党本部で総会を開催した。開会にあたって浜田靖一会長(衆議院・千葉、写真)が挨拶に立ち「業界の長年の要望を受け、来年4月から物流倉庫の庇部分について一定の要件を満たせば建築面積に算入しないこととし、建ぺい率制限を見直すことができた」と報告し、「国土交通省関係者と当議連の活動が実を結んだことに感謝する」と述べた。

会合では日本倉庫協会、全国定温倉庫協同組合、日本冷蔵倉庫協会の3団体が業界からの要望を発表。日倉協の久保高伸会長は3団体を代表し、電力料金高騰に関して倉庫業界への支援を訴えた。久保会長は「政府・自民党が物流各分野での燃料費などコスト上昇分を適正に料金に反映させるよう荷主への周知と法令による働きかけの徹底を打ち出しているが、現状では価格転嫁が円滑に実現していない」と指摘。3団体共通の要望として「価格転嫁および取引適正化について強力な取り組みと推進」「電力料金高騰に対する支援措置」の2点を訴えた。

政府米備蓄について請求方式の見直し要望

続いて全国定温倉庫協同組合の太宰榮一理事長が発言に立ち、政府米の備蓄制度に基づく保管料について「備蓄米の品質維持に係る人件費や施設経費の負担に見合うだけの保管料を収受できていない現状にある。本事業から撤退する事業者も数社現れている。また、電力料金は、この1年間で2~3割程度の急激な上昇であり、倉庫事業者の収支をさらに悪化させている」と厳しい経営環境を報告。業界として、①保管原価の実態を考慮した価格転嫁の実現②政府米特有の保管料請求方式(期末残高方式)を業界標準の「積数計算方式」とした上での保管対価適正収受の実現③燻蒸準備経費、検疫燻蒸や品質保持燻蒸などに要する経費の全額収受への措置――などを要望した。これを受け、農林水産省の担当者は政府米備蓄を扱う民間受託事業体に対し、倉庫業界の要望を伝達した上で協議すると回答した。

日本冷蔵倉庫協会は田中一範副会長が発言。改めて省エネ型自然冷媒機器の導入支援など予算編成と倉庫税制に関する要望を改めて行った。

そのほか、日倉協の久保会長が改めて予算編成と倉庫税制について要望。加えて、来年度の国交省の組織改正で物流担当部署が自動車行政担当の自動車局と一体化することについて言及。新組織が「物流部門にメリットのある施策を展開すること」「トラックを中心とした運営としないこと」を要望した。国交省の鶴田浩久公共交通・物流政策審議官は「新組織は(自動車部門に偏った施策を行うのではなく)物流行政全体の推進体制を強化するもの」と説明した。
(2022年11月15日号)


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