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特定信書便、引受通数が初の減少=総務省

2022.10.11

総務省はこのほど、特定信書便事業の現況を公表した。それによると、2021年度末時点での特定信書便事業者は586者で、前年度末から増加。その一方、同年度の総引受通数は約2006万通、売上高総額は約183億円となり、いずれも前年度実績から減少した。とくに引受通数の減少は特定信書便事業が始まって以来初となった。

信書便法(民間事業者による信書の送達に関する法律)が03年に施行されて19年が経過した。この間、一般信書便事業への参入はないが、特定信書便事業への参入は着実に増加している。

21年度末時点での参入事業者数は586者と、前年度末から19者増。このうち、役務別での参入者は1号役務(3辺合計が73㎝以上または重量が4㎏を超える信書便物を送達するサービス)が519者で最も多く、次いで3号役務(料金額が800円を超える信書便物を送達するサービス)が308者、2号役務(3時間以内に送達するサービス)が104者となっている。1号役務、3号役務は年々増加を続けているが、2号役務は減少傾向にある。

21年度の総引受通数は、約2006万通で、約99万通(前年度比4・7%)減となり、初の減少となった。役務別では、1号役務が約1427万通と最も多かったが、前年度から約74万通(4・9%)の減少。3号役務は約502万通で約31万通(5・8%)減となった。一方、2号役務は約76万通で約5万通(7・0%)増加した。

21年度の総売上高は約183億円で、前年度から約15億円(7・6%)減少した。役務別では、1号役務が約102・6億円で約12億円(10・5%)減らし、3号役務は約78億円で約3・1億円(3・8%)減。2号役務が約2・5億円で0・1億円(約3・8%)減少となり、すべての役務が前年度から売上を落としている。

参入事業者の業種別の割合では、貨物運送業が400者と大多数を占め、警備業が38者、障がい者福祉事業が16者と続く。経営形態では、会社状態(株式会社、合資会社および合同会社)が506者で全体の86・3%を占める。その他は協同組合が40者(構成比6・8%)、社会福祉法人が15者(2・6%)、NPO法人が7者(1・2%)となっている。また、個人での参入も13者(2・2%)ある。

会社形態の事業者を資本金別で見ると、「~1億円未満」が357社と約7割を占め、「~1千万円未満」が83社(構成比16・4%)、「~10億円未満」が50社(9・9%)、「10億円以上」が16社(3・2%)と続く。

地域別の参入状況では、東京131者、大阪59者、愛知36者、神奈川32者、福岡30者、北海道20者の順。高知のみが参入事業者ゼロとなっている。
(2022年10月11日号)


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