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JILS/21年度 売上高物流コスト比率5・70%

2022.01.11

日本ロジスティクスシステム協会(JILS、遠藤信博会長)はこのほど、2021年度の物流コスト調査結果の速報値を発表した。それによると、21年度調査(実績は主に20年度)の荷主企業の売上高物流コスト比率(全業種平均)は5・70%となり、14年ぶりの5%台を記録した前年度の5・38%からさらに0・32pt上昇し、過去20年の中では最も高い数値となった。JILSでは「近年、物流事業者からの値上げ要請などを理由に売上高物流コスト比率が上昇傾向にあったが、21年度調査では過去20年間で最も高い数値となった。急激な上昇の要因は、労働力不足などによるトラック運賃の値上げや荷役費の値上げによるものではないか」と分析している。

同調査は昨年7月から12月にかけてアンケートを実施し、計195社から有効回答を得た。また、調査対象期間は20年度であり、新型コロナウイルスの流行が拡大した時期とも重なるため、コロナ禍による物流コストの影響についても、現在分析を進めている。なお、同一サンプルによる比較が可能な2年連続回答企業(162社)の売上高物流コスト比率は5・61%で、前年度比0・07ptの上昇となった。

業種大分類別のコスト比率を見ると、製造業が5・66%(前年度比0・18pt増)、非製造業が5・80%(0・64pt増)。非製造業のうち、卸売業は5・54%(0・03pt減)と微減したが、小売業は6・08%(2・34pt増)と大幅に増加した。

荷主企業の67%が値上げ要請「受けた」

値上げ要請の有無については、回答企業169社のうち、113社(66・9%)が「要請を受けた」と回答。20年度調査の83・0%からは大きく減少した。値上げ要請された主なコスト(複数回答)では、「輸送費」が89社で最も多く、次いで荷役費(54社)、保管費(42社)となった。

また、値上げ要請を受けた113社のうち、「応じた」と回答した企業は98社(86・7%)。20年度は95・8%だったため、9・1pt減少した。値上げに応じたコストの種類(複数回答)では「輸送費」が80社で最多、次いで荷役費(45社)、保管費(36社)の順となった。
(2022年1月11日号)


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