ティーライフ、2年内目途に運送事業を開始へ
健康食品などの通販事業を展開するティーライフ(本社・静岡県島田市、西上節也社長)は物流外販事業の成長に向けて、2年内をメドに運送事業を開始する計画にある。自社の通販物流業務で培ったセンター運営ノウハウを用いたフルフィルメントサービスや3PL事業を展開する中、自社で運送機能を保有することにより、宅配運賃値上げへの対応や、倉庫と輸配送を組み合わせた幅広い物流提案につなげる。
同社では、静岡県袋井市に敷地面積5万7129㎡、延床面積6万2429㎡の大型物流拠点「ティーライフ袋井センター(写真)」を稼働する。同所は2015年にパイオニア静岡工場の敷地と倉庫の一部を購入し、18年に現在の規模へ拡張した拠点。袋井センターでは庫内業務を全て自社で運営し、ティーライフ全商品の保管発送業務に加え、通販会社やメーカー、卸などの3PL業務、外部の物流会社へのスペース貸しなどを行っている。
同拠点を中核とした物流事業の外販を進める中で、より提案の幅を広げることを目的に、運送事業への参入を検討。まずは今年3月から物流部の従業員を地域の運送会社へ出向させ、運行管理業務や配車業務、車両の調達などの実務経験を習得するとともに、ティーライフとしても一般貨物運送事業および貨物利用運送事業の許可、登録への準備を進める。併せて、東海地域で後継者問題に悩む運送会社のM&Aなども検討していく。
通販物流においては、ヤマトショックに代表される宅配運賃の値上げインパクトが大きいが、自社で輸送機能を保有すれば出荷商品を宅配会社のベース拠点などまで持ち込むことが可能となり、運賃の値上げ局面でも宅配会社と柔軟な料金交渉が可能になる。併せて、輸配送と庫内作業をトータルで提案できるようにすることで、より大型の3PL案件も受託していきたい考えだ。
袋井センターへ自動化機器も導入
袋井センターの倉庫内作業でも高度化を進め、来年2月をメドにバーコード管理システムやメール便自動梱包システムを新たに稼働させる予定にある。同所は18年に庫内作業を自営化し、まずはアナログでの物流を平準化しながら現場ノウハウを蓄積してきたが、物流管理人材が習熟するとともに取扱物量も増加したことから、自動化機器の導入を判断した。石澤浩和取締役は「各種のシステムを活用することで品質を高め、3PL業務の受注拡大につなげたい」と話す。
(2021年6月24日号)