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ボックスチャーター、20年度JITBOX便実績16%減

2021.06.15

ボックスチャーター(BC、本社・東京都千代田区、岩﨑納樹社長)は9日、JITBOXチャーター便の2020年度販売本数が前期比16%減の86万本になったことを明らかにした。11年度以降、9年間連続で右肩上がりの増加を続け、19年度には100万本の大台を超えたが、20年度は新型コロナウイルス感染症の拡大を背景とした商業貨物の荷動き低迷が響いた。一方で、今期(21年度)は販売本数99万本(14・9%増)のⅤ字回復を目指す。

20年度上期の時点でJITBOX便の販売本数は前期比2割減で着地。企業の販売促進などに使用される印刷物や飲料、イベント関連の輸送ニーズが落ち込み、とくに“底”となった4~5月は前年同月比3割減で推移した。その後、徐々に回復傾向には転じたものの、通期実績は前年割れとなった。オプション販売件数も34万2000件(11%減)と減少したほか、延べ顧客数11万3000社(19・5%減)、延べ稼働事業所数8700事業所(7・8%減)となり、いずれもマイナスだった。

安全・品質面では転倒・落下事故件数が64件(8件増)で、発生率は0・2件悪化した0・74万件数となった。一方で、荷物事故の発生率は4・4万件数で1・0件改善し、配達不良率も0・8%改善の1・3%。昨年10月より、配達ドライバーの端末機器「FACE」に「配達先到着」と「荷降開始」ステータスを追加したことに伴い、各社の現場指導の強化と精度向上が改善に寄与した。

20年度は顧客満足度向上のためWeb関連ではボックス本数シミュレーションの開発やターゲット別ランディングページの展開、商談機能の追加などで非接触型の販売促進機能を高めた。また、商品開発にも取り組み、昨年11月には「スロープオプション」を発売したほか、加盟各社参加型の商品開発プロジェクトも発足させた。

加盟各社の満足度向上施策としては「FACE」のステータス情報追加やリモート営業支援として既存顧客へのDM発送、オンライン勉強会などを実施。BC社と加盟各社の社内報のコラボレートも企画した。さらに、従業員満足度向上には教育・指導の標準化、新資材「楽ラクシリーズ」の開発による品質向上と作業負荷軽減、館内配送ルールの設定やデジタル化の支援を進め、業務効率化にも貢献した。

その上で、今期は「データベース基盤の構築を進め、加盟各社・お客様への理解を深めるコミュニケーションを強化する」をテーマに、マーケティング施策やWeb戦略の強化、提案領域の拡大を進めるとともに、安全作業や品質向上の推進、ESGに関する取り組みの発信にも取り組む。同時に、市場動向把握の強化やナレッジの展開、バックヤード業務の軽減も図る。計画数値としては、配達不良率1・2%(0・1%減)、転倒落下事故件数45件(19件減)を目標に据える。
(2021年6月15日号)


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