中央運輸、GDP対応コンサルサービスを開始
中央運輸(本社・東京都中央区、赤澤善博社長)は、GDP(医薬品の適正流通基準)に準拠した医薬品サプライチェーンの構築に必要となる、輸送・保管中の温度管理やモニタリングなどのコンサルティングサービスを開始する。長年の医薬品輸送で蓄積したノウハウを医薬品卸をはじめとするメディカル関連企業に展開するもの。将来的には医薬品のみならず、食品の定温輸送などにおける温度管理のコンサルティングサービスにも事業領域を広げたい考えだ。
2018年12月に厚生労働省から日本版のGDPガイドラインが発出されたことに伴い、医薬品卸などでは、GDPの遵守項目のひとつであるサプライチェーン上の温度管理について製薬会社から監査を受ける機会が増えている。一方で、温度管理については倉庫内やトラック荷室内の温度測定方法やその活用方法、モニタリング体制の構築など、専門的な知識や経験が求められる作業も多い。中央運輸では長年にわたる医薬品の定温保冷輸送実績を持つ上、GDPにもいち早く準拠するなど豊富なノウハウを持ち、こうした技術をGDP対応で課題を抱える医薬卸などへ提供する。
赤澤社長は「当社は医薬品輸送会社として、様々なメーカー様からこの5年間で100回以上のGDP監査に対応しており、蓄積された経験値を業界の役に立てたいと考えた」と話す。親会社であるスズケングループとしても『モノ売り』から『コト売り』への事業転換を図っており、中央運輸でも、「モノを預かり、動かすだけのビジネスではなく、ノウハウを販売することで社内の原価を下げ、医薬品業界全体の流通コスト削減に貢献していきたい」という。
同社では、GDPに準拠した医薬品保冷ターミナル「メディカルクールターミナル」から、医薬品卸などの物流センターへGDP対応の医薬品温度管理車両で直送する保冷配送サービス「ダイレクトクール」も展開し、対象エリアを拡大している。同サービスでも、厳格な温度管理を求める医薬品メーカーなどの要請に応え、昨年末より輸送中を含む24時間の温度モニタリングサービスを開始しており、こうした既存の医薬品物流サービスにおけるブラッシュアップも引き続き行っていく。
(2021年4月13日号)