国交省、JR貨物に今後3年間で138億円支援
国土交通省は12月25日、JR3社(北海道、四国、貨物)の経営自立に向けた支援を来年度以降も継続・拡充すると発表した。これまで10年間続けてきた支援の枠組みが今年度で終了することを受け、新型コロナによる影響など各社の置かれた状況を踏まえ、支援を継続・拡充する。今月中にも召集される通常国会に、旧国鉄長期債務処理法(日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律)の改正案を提出する予定。
支援策の概要は、JR3社に対する支援期限を2030年度まで10年間延長する。また、各社の中期経営計画期間内における支援として、JR貨物に対し23年度までの3年間で総額138億円を支援する。JR北海道に対しては23年度までに1302億円、JR四国へは25年度までに1025億円を支援する。
このうちJR貨物に対しては、設備投資等についての無利子貸付を新規に創設するほか、廃線跡地などの不要土地について鉄道・運輸機構による引き取りなどを行う。また、JR北海道に対しては、貨物走行線区における貨物列車の運行に必要な設備投資等の支援、青函トンネルに係る修繕等の支援などを実施する。
今回の措置を受けて、JR貨物は「多大なるご尽力を賜りました国土交通省をはじめとする関係機関等の皆さまに厚く御礼申し上げます」とした上で、今回の支援策を有効に活用することで「全国をつなぐ幹線物流鉄道ネットワークの強靭化と貨物駅の物流結節点機能の向上を図り、鉄道を基軸としたサプライチェーン構築による物流生産性向上を実現し、確固たる事業基盤を構築するとともに、グリーン社会の実現・持続可能な社会の形成に貢献して参る所存です」としている。
(21年1月7日号)