【物流会社】トナミHD/17年3月期は売上高2・1%増、営業利益2・3%減益
トナミホールディングス(本社・富山県高岡市、綿貫勝介社長)の2017年3月期連結業績は、売上高が前期比2・1%増の1255億900万円、営業利益が2・3%減の51億1800万円、経常利益が2・7%減の53億8300万円、当期純利益が6・7%増の37億6200万円となり、増収減益だった。中核会社であるトナミ運輸における物量回復などにより増収となったが、第4四半期(1~3月)による燃油価格高騰、労働需給ひっ迫による人的コスト増、新流通センター立ち上げにかかる初期コスト負担などから減益となった。ただ、当期純利益は持株会社体制への移行後では最高益を更新した。
セグメント別業績は、物流関連事業の売上高が2・5%増の1155億9200万円、営業利益が3・4%減の44億7500万円。同セグメントの収入内訳は貨物事業者運送事業及び貨物利用運送事業が875億7900万円(2・0%増)、倉庫事業が228億4400万円(6・3%増)、港湾運送事業が51億6800万円(4・3%減)。
情報処理事業は売上高28億5300万円(1・5%減)、営業利益3億1100万円(64・7%増)。販売事業は売上高57億3400万円(13・4%減)、営業利益2億9400万円(2・0%減)。その他事業は売上高13億2800万円(101・3%増)、営業利益1億4900万円(29・0%増)。
中期3ヵ年計画の最終年度となる18年3月期は、前期に稼働した清須流通センター(愛知県清須市)などの新拠点フル稼働するほか、前期に子会社化した中央冷蔵、テイクワンの売上げが通年で寄与することなどから増収増益を予想。売上高は1303億円(前期比3・8%増)、営業利益60億円(17・2%増)、経常利益62億円(15・2%増)、当期純利益44億円(17・0%増)を見込む。一方で、燃料単価の上昇や下払費の増加などコストアップも見込まれるが、生産性向上施策などで吸収していく方針。
9日に本社で会見した綿貫社長は、ヤマト運輸の運賃値上げについて「宅配便と企業間物流という違いはあるが、労務実態や低運賃など厳しい実態は同じであり、改善に向けて実行することは一緒だ」と述べ、適正運賃収受に力を入れていく考えを示した。
(2017年5月16日号)