郵便法改正案の臨時国会提出を見送り=総務省
総務省は、4日に召集された臨時国会に普通郵便物の土曜日配達廃止などを盛り込んだ郵便法改正案の提出を見送る方針だ。総務省は当初、臨時国会で郵便法を改正し、来年10月にも日本郵便からの要望が高まっている土曜日配達の廃止を実施する方針だったが、かんぽ生命の不適切営業事案で日本郵政グループへの国民からの批判が高まっていることを踏まえ、法案提出を見送る考え。
高市早苗総務大臣は4日の記者会見で、法案について「準備を進めている」と答えた上で、「かんぽ生命の不適正な営業に対する日本郵政グループの対応が国民からの理解が得られるかどうかを十分に見極めながら最終的な判断したい」と述べた。
改正法案のおもなポイントは、土曜日配達を廃止することで普通郵便の配達頻度を週6日から週5日に減らすことと、送達日数制限を現行の「差出日から原則3日以内」を「原則4日以内」に緩和することの2点。これにより、日本郵便は取り扱いの減少が続く郵便の収益改善につなげるほか、配達要員をゆうパックなど物流分野に振り向ける。
なお、改正法案の臨時国会への提出が見送られれば、土曜日配達廃止の実施は2021年以降にずれ込む公算が高い。
(2019年10月10日号)