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日本トランスシティが「霞バイオマスセンター」竣工

2019.10.08

日本トランスシティ(本社・三重県四日市市、安藤仁社長)は1日、四日市市霞地区の保有地に建設していた「霞バイオマスセンター」(写真)が竣工し、2日から稼働した。敷地面積は4万7093㎡で、延床面積1万3197㎡の鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)の平屋建て。四日市市内の火力発電所に供給するバイオマス燃料(木質ペレット、パーム椰子殻)の本船荷役からの輸入一貫作業および受入と貯蔵、輸送業務を行う。

中期経営計画(2017~19年度)では経営戦略のひとつとして国内ロジスティクス事業の強化を掲げ、四日市港における貨物の取扱拡大と多様化ならびに物流機能の強化を図るとした。その一環として、昨年11月から保有地でバイオマス燃料の受入・供給基地として「霞バイオマスセンター」の建設を進めてきた。総投資額は各種設備も含め約44億円。

5庫(1庫が48m×55m)で構成され、天井高は平均で18m。床荷重は1㎡あたり4~8t。1庫あたり木質ペレットで最大1万2000t、パーム椰子殻で1万tの貯蔵が可能。荷役用にホイールローダー3台、パワーショベル2台、輸送用に専用のコンテナシャーシ6台を導入。スプリンクラー設備、温度監視装置、LED照明を備えている。

木質ペレット、パーム椰子殻は東南アジアから輸入され、霞ヶ浦南ふ頭23号岸壁で船から荷揚げし、ダンプで倉庫へ運搬。貯蔵されたバイオマス燃料を専用のオープントップコンテナ(スライド式)に充てんし、1日約750tを発電所に輸送する。年間の取り扱いは木質ペレットが15万t、パーム椰子殻が7万tを目標とする。

竣工式で安藤社長は、「当施設は四日市の火力発電所向けに、バイオマス燃料を受け入れる専用施設として整備した。今後、好立地を活かし、施設でのバイオマス燃料の取り扱いだけでなく本船荷役ならびに発電所への供給という一連の業務を通じて、お客様と地域社会の発展に貢献できるようグループを挙げて支援していく」と挨拶した。

なお、日本トランスシティではバルク貨物の物流を得意とし、石炭・コークス専用大型荷役機械への対応のほか、中部地区最大の100万tの収容能力を持つコールセンター(貯炭場)の運営実績もある。今回、バイオマス燃料の取り扱いは初めてとなった。
(2019年10月8日号)


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