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日貨協連がロボット点呼機の取り扱い開始

2019.06.20

日本貨物運送協同組合連合会(日貨協連、吉野雅山会長)は17日、販売事業で初となるAIロボット点呼機器とAED(自動体外式除細動器)の発売を開始した。ロボット点呼機は7月日31日まで先行予約価格でレンタルを行う。当面は100台の成約を目指す。AEDは一部大手事業者による自社車両への搭載も始まっている動きを見据えながら、会員事業者へのPRを展開する。また、昨年度より販売を行っている血圧計は今期も販売を継続し、前年度同程度の約1000台の販売を目指す。同日開催した会見で発表した。

会見に出席した吉野会長は「トラック運送業の根幹は安全な運行であり、より一層の安全対策を図ることが不可欠だ」と強調。「日貨協連では行政が進める働き方改革や全日本トラック協会の安全対策に呼応し、安全運行対策、過労運転防止、健康管理対策を推進する。その一助として会員の安全運行管理を支援するため、各種機器の販売・取り扱いを行う」と述べ、安全運行の精度向上に向け、支援機器を有効活用する意義を訴えた。

新規で販売を開始するのはAIロボット点呼機器とAED。吉野会長はAIロボット点呼機器について、「およそ1年間をかけ、開発会社のナブアシストとともに研究を重ね、実証実験を実施した。その検証データを国土交通省にも提出し、理解を得た上で販売開始に至ったもので、国交省とも相談を行っている」と説明。その上で「AIロボット点呼機器はあくまでも運行管理者の業務をサポートするものであり、ロボットが運行管理者の代行をするのではない」と強調し、「いままで以上の安全を確保するため、AIロボットのサポート機能を有効に使っていただきたい」と述べた。

同機器は事務所のカウンター上に設置できる小型タイプのユニボ(ユニロボット製)=写真と、ユニボよりも大型で床面に直立するペッパー(ソフトバンク製)の2種類のロボットを利用。当初はペッパーのみの開発が進んでいたが、小さな設置スペースに置けるタイプを望む意見があったことを受け、ユニボを利用するタイプも開発した。

運行管理者による点呼業務の支援では、運転者の顔認証による本人確認や呼気アルコールチェック、免許証の確認、睡眠時間など体調管理などを行う機能がある。そのほか指示伝達事項を音声で告げる機能も備えた。記録したデータはクラウドで保存し、点呼記録表や点呼記録明細を自動作成できる。
また、10月からユニボタイプには改善基準告示に適合した運行管理機能を別売りで付加する予定。そのほか血圧測定器との連携させ、健康状態管理機能のパワーアップも視野に入れる。

日貨協連では17日からの先行予約特別価格として3年レンタルでの割引価格を設定。ユニボが月額7万5000円、ペッパーが11万5000円。8月1日からは通常価格としてユニボが月額8万5000円、ペッパーが12万5000円となる。
(2019年6月20日号)


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