全ト協がドライバー睡眠マニュアル策定へ
全日本トラック協会(坂本克己会長)では2019年度に、「トラックドライバー睡眠マニュアル」を策定する。昨年6月1日から点呼時にドライバーに対する「睡眠チェック」が義務付けられたことを受け、トラックドライバー向けに睡眠の知識や運行管理者の注意事項などをまとめる。全ト協では「同マニュアルを活用し、良い睡眠をとる、良い睡眠をとらせる睡眠のプロフェッショナルになってほしい」としている。
昨年6月1日に施行された改正輸送安全規則では、トラック運送事業者が運転者を乗務させてはならない事由に「睡眠不足」を追加。乗務前点呼で報告を求め、事業者が確認する事項に「睡眠不足により安全な運転をすることができないおそれの有無」を加えた。
運転者が遵守すべき事項として、睡眠不足により安全な運転をすることができない、または継続できないおそれがあるときは、その旨を申し出なければならないこととし、トラック運送事業者の点呼時の記録事項に「睡眠不足の状況」を追加。
運転者が「睡眠不足ではない」と申告している場合でも、運行管理者等が当該運転者の普段の様子等から考慮して「睡眠不足である」と判断した場合には、当該運転者を乗務させてはならないこととした。
厚生労働省では、「睡眠時間が6時間未満の者では7時間の者と比べて居眠り運転の頻度が高い」といった研究結果を紹介した「健康づくりのための睡眠指針2014~睡眠12箇条~」を策定しているが、トラックドライバーに特化した睡眠マニュアルはなかった。
今回策定するマニュアルでは、ドライバーに知ってもらいたい睡眠の知識を「実践編」と「資料編」に分けて整理するとともに、運行管理者が点呼の睡眠チェック時にどのような点に着目したらよいか盛り込み、9月頃の完成を目指す。
(2019年3月26日号)