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ラクスルが一般貨物向けのマッチングサービスを開始

2019.01.29

ラクスル(本社・東京都品川区、松本恭攝社長)は2月12日から、運送情報の企業間連携をオンライン上で可視化する新サービス「ハコベルコネクト」を開始する。荷主と運送会社をマッチングする「ハコベル」の一般貨物向けシェアリングプラットフォームで24日に開かれた事業戦略説明会で、松本社長は同サービスについて「ドライバー不足や非効率な配車プロセスによる多大な事務作業を解決する」とPRした。

ハコベルコネクトは、ドライバー不足の解消や生産性向上を目的に、2tトラックや4tトラックなどで一般貨物を扱う運送会社と大手荷主を対象とした求配車サービス。スマートフォンやパソコンで配車の受発注や運行管理、請求などを一貫して行えるシステムで、荷主と運送会社による紙・電話・FAXなどのアナログな業務をデジタル化し、ひとつの案件に関する情報を複数の運送会社やドライバーと共有することで、情報伝達にかかる手間を大幅に削減する。
新サービスの利用料金は、運送会社は無料。セキュリティや大量のデータを一元管理するためのAPI(Application Programming Interface)提供など、エンタープライズ向けの仕組みが必要になる大手荷主側はオープン価格となっている。

また、従来の「ハコベル」は、軽貨物事業者と個人・一般企業荷主のマッチングに特化し、名称も「ハコベルマッチング」に変更する。
松本社長は「一般貨物・中小の運送会社への導入費用は無料となっており、多くの事業者が利用すればするほど効果が出る。いち早く全ての企業に導入が進むよう努力していく」と抱負を語った。泉雄介取締役CTOも「物流のネットワーク化・デジタル化により、業界の課題を解決し、次の産業価値を作っていく」と述べた。

コクヨロジテムとハマキョウが導入事例紹介

説明会では松本社長と泉CTO、コクヨロジテムお納め本部首都圏配送センターの巾田貴紀センター長、ハマキョウレックス輸送統括部の野嶋法弘部長によるパネルディスカッションも行われ、自社の物流課題やIT化する物流業界と、その未来などについて意見を交換した。

巾田センター長は平日と週末、閑散期と繁忙期の物流波動について「固定パートナーの戦力を超えた波動が出た場合、スポットや新規の開拓を進めているがドライバー不足により難しい。そこでハコベルを利用しており、その利用割合も増えている」とハコベルの導入事例を述べ、「各ビルへの配送は車両の高さ・重量などの制限があるが、顧客情報や納品先情報を社内で共有化し、対応できている」と配車課題に対する自社の取り組みを紹介した。

野嶋部長は配車の効率化について「電話やFAXなど、アナログでしかできないコミュニケーションもある。配車効率を向上させるために自社を含めた協力会社と情報を共有し、デジタルとアナログを共生することが重要だ」と語った。
(2019年1月29日号)


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