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トナミHD/19年3月期2Qは運賃改定交渉進み、増収増益達成

2018.11.15

トナミホールディングス(本社・富山県高岡市、綿貫勝介社長)が9日に発表した2019年3月期第2四半期の決算は、トナミ運輸の小口貨物などで進めてきた運賃改定交渉の進捗やコストコントロールによる収益管理の徹底、生産性向上策などが奏功し、増収増益となった。同日、本社で開かれた決算説明会において綿貫社長(写真)は「前期の下期から運賃改定を本格的に開始し、小口貨物の運賃値上げ率6%を目標に取り組んできたが、今はおおよそ6%以上の成果が出ている」と報告した。

2019年3月期第2四半期決算の連結業績は、売上高673億6900万円(前年同期比5・3%増)、営業利益35億500万円(31・7%増)、経常利益36億5000万円(23・3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益22億9700万円(25・2%増)の2ケタ増益を達成した。期初発表の計画値も、売上利益ともに上回った。

主力の物流関連事業も売上高621億1700万円(4・7%増)、営業利益32億2400万円(33・6%増)の増収増益。グループ全体のリソースを活用した提案で新規顧客成約を進めるとともに、既存顧客への輸送コストに応じた運賃改定交渉を継続し、運送と附帯作業の明確化、作業負担軽減による集配業務の効率化への取り組みも成果を発揮した。

一方で、下期の運賃改定については、「小口貨物における運賃改定交渉は一巡するが、まだ交渉できていないお客様にも理解を求めて、何とか5%台位を維持したい」とするとともに、貸切便などを扱うグループ会社の運賃改定については「小口貨物の目標に定める6%の値上げというのは難しい数値であり、半分ぐらいの3%~4%程になるのでは」との見方を示した。

今期からスタートした中期3ヵ年経営計画で中心に据える「働き方改革」については、今期「業務改善委員会」を立ち上げ、働き方改革につながる、業務のムダ削減や省力化を推進。合わせて、前期発足した労働組合と「労使働き方改革推進委員会」などでは “休み方改革”にも取り組み、本格的な完全週休2日に向けた協議を進める。綿貫社長は「賃金のみならず、今まで以上に休息を提供することが、従業員の定着につながると見ている」と述べた。

また、中期計画の進捗度については「通期はしっかりとした数値が出せそうだが、最終年度の売上には現状のままだと足りず、M&Aや施設の増設が必要」であることを改めて強調。M&Aでは主力事業の特積みと3PLの2本柱の強化を図るとともに、施設面では働き方改革の一環として老朽化施設のリニューアルにも早急に取り組む。

通期の連結業績予想は期初発表の目標値を据え置き、売上高1350億円(3・1%増)、営業利益65億円(15・4%増)、経常利益67億8000万円(11・0%増)、純利益48億円(51・9%増)の見通し。堅調な上期決算を終えたが、小口貨物では運賃改定を背景に貨物量自体が伸びておらず、原油価格の上昇や海外情勢の先行き不透明さ、労働力不足の進行などマイナス要因も加味した。
(2018年11月15日号)


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