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セイノーHD/19年3月期2Qは運賃適正化で物量減も増収増益

2018.11.22

セイノーホールディングス(本社・岐阜県大垣市、田口義隆社長)が9日に発表した2019年3月期第2四半期の決算は、7期連続の増収、9期連続の増益を達成し、過去最高の業績を更新した。16日に東京都内で開かれた決算説明会で田口社長は「一番大きいのはお客様とお話して運賃の適正化が進んだこと」と説明。一方、コスト面では傭車費が増加したが、「人手不足を背景に傭車のウェイトが高まることは想定しており、その範囲内」とした。

19年3月期第2四半期の連結業績は3022億8200万円(前年同期比4・2%増)、営業利益147億6500万円(15・6%増)、経常利益158億6000万円(22・6%増)、純利益104億8700万円(18・1%増)。運賃収受率が前期の57・0%から61・3%へ7・5%伸長し、利益に貢献した。一方、物量は1・9%減少した。輸送事業単体の業績も、売上高2257億5200百万円(5・0%増)、営業利益111億7800万円(27・5%増)と伸長した。

輸送事業における下期に掛けての計画は、上期に20㎏以下の荷物が減少したことに注目し、集配ドライバーがスマートフォンを用いて、荷主に輸送サービスや運賃をその場ですぐに提示できる仕組みを展開する。取引額10~50万円規模の荷主企業には、業務負荷軽減に寄与するEDIサービス「カンガルー・マジックⅡ」を提案し、今期中には導入率を現在の70%から80%まで引き上げる計画。同時に、位置情報の可視化などIT活用施策によって業務効率化と顧客満足向上を目指す。現場では自動仕分け機をバージョンアップして作業スピードを高めるとともに、ロジスティクスセンター内にも省人化機器を導入していく。

輸送の効率化に向けては鉄道、船舶の利用や、増トン車およびフルトレーラへのシフト、25mダブル連結トラックの実用化に向けた検証を推進。船舶輸送ではJR山陽線の運休を受けて7月から清水~大分航路のフェリー輸送を1日1~2便運航しており、今後も中部~九州での利用拡大を検討する。3月から運行を開始した25mダブル連結トラックに加え、隊列走行も、政府のワーキンググループに参加して実用化を検討していく。

人材採用面では今月1日に子会社化した西濃自動車学校と連携して、入社後の運転免許取得を支援していく。
長期的な方針としてはロジスティクス機能をさらに強化。ターミナル一体型の保管庫の開設を進め、5月に新築移転した静岡支店(静岡市葵区、保管庫8571㎡)、来年6月開業予定の成田支店のほか、深川支店や大森視支店などでも検討。また、茨城県つくば市では新たに1万坪の土地を取得し、京都・岡山では他社との共同開設も視野に入れるとした。

通期の連結業績は、上期業績の好調さを受けて5月発表値を上方修正し、売上高は2・3%増の6160億円(前期比3・3%増)、営業利益は10・9%増の315億円(13・0%増)、経常利益は9・7%増の338億円(16・1%増)、純利益は7・1%増の210億円(4・8%増)を見込む。下期の単価は5%増、物量は前期とほぼ横ばいの見通しにあり、通期で見ると単価は6%増、物量は0・9%減となる見込み。適正運賃収受率については今期中に62%、21年3月期までに65%へ引き上げる計画にある。
(2018年11月22日号)


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