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食品卸が業界標準トラック予約システムを開発

2018.09.25

加工食品卸が業界を挙げてトラックの待機時間対策に乗り出す。日本加工食品卸協会(日食協、國分晃会長)は、日本で初めてとなる業界標準の「トラック入荷受付予約システム」を開発。当面100拠点での導入を目標とし、国土交通省が示す1運行当たり荷待ち時間平均「1時間45分」の30%削減を目指す。卸業界が共通のシステムを運用することによって、各物流拠点でのトラックドライバーの混乱や負担を減らす狙いもある。

100拠点での導入を目指す

国土交通省が昨年行ったトラックの荷待ち時間調査によると輸送品目別にみて30分以上の荷待ち時間の発生件数は加工食品が最も多く、メーカー~卸の物流でトラックの待機時間が課題となっている。

加工食品卸における着荷主としての対策が求められる中、トラック受付予約システムが有効とされるが、個別企業ごとにシステムを導入すると、ドライバーが各卸の拠点で異なるアプリ等から手続きしなければならず、非効率が想定される。
日食協の物流問題研究会では、業界共通のシステムの開発を目指し、農林水産省の2017年度補正予算における支援事業の認定を受け、ITベンダーに依頼してクラウドサービス型の「トラック入荷受付予約システム」を開発した。

物流問題研究会の下に物流効率化専門部会を設置し、システムの要件定義を行い、完成したシステムを9月初旬から、3企業3拠点で実装。今月末に検証を取りまとめ、必要な手直しを行い、10月からの導入を目指す。

おもな機能は、待機中のドライバーやトラックバースの使用状況の一覧表示、ドライバーへのバース誘導メール通知、作業実績の収集など。日食協では、「受付システムのデジタル化により、実態を把握するところから始め、マネジメントのツールとして活用してほしい」としている。

15年2月に改訂された「トラック運送業における下請・荷主適正取引推進ガイドライン」では、トラックの手待ち時間の改善における「着荷主」の役割を明記。こうした背景から、日食協では業界標準の入荷受付記録簿様式、事前出荷情報(ASN)の標準フォーマット制定など待機時間対策に取り組んできた。

昨年11月には、ドライバー不足への対応では、「加工食品卸売業の共同配送推進の手引き」を作成。物流業務の効率化に向けて、メーカー・小売業や同業他社との連携も含め、加工食品サプライチェーンの全体最適を推進している。

なお、「トラック入荷受付予約システム」については26日から28日かけて東京ビッグサイトで開催される「フードディストリビューション2018」(日食協、食品産業センター主催)で展示される。
(2018年9月25日号)


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