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センコーとランテックが「加須PDセンター2号倉庫」竣工

2018.08.14

センコー(本社・大阪市北区、福田泰久社長)は9日、2016年11月に開設した「加須PDセンター」(埼玉県加須市)の敷地内に「2号倉庫」と「危険物倉庫」を新設した。2号倉庫は常温エリアをセンコーが、冷凍冷蔵エリアをランテックが運営するグループ初の共同施設。これにより、加須PDセンターの総延床面積は10万2631㎡となり、センコーグループで最大の野田PDセンター(2棟、総延床面積約11万2600㎡)に次ぐ施設規模の物流拠点となった。

加須PDセンターの敷地面積は約10万4859㎡。圏央道・白岡菖蒲インターチェンジから約10㎞、車で約20分の場所にあり、首都圏全域をカバーするのみならず、常磐自動車道や中央自動車道、東名高速道路といった主要高速道路へのアクセス性に優れている。

今回竣工した2号倉庫は、延床面積5万1490㎡の地上5階建て(倉庫部分は3階建て)。うち常温倉庫は2万4284㎡で、冷凍冷蔵倉庫は2万7206㎡となっている。冷凍冷蔵倉庫部分には1万1200パレットが収納可能な冷凍(マイナス25℃)および冷蔵(4℃)管理の自動倉庫を設置。冷蔵自動倉庫では大手食品メーカーの商品を扱い、冷凍の自動倉庫はランテックの全国小口混載定温輸送サービス「フレッシュ便」に活用する。

2号倉庫のトラックバースは13mの庇を備える全天候型バースとし、南北に最大78台を接車可能。このうち40台分は冷凍・冷蔵商品に対応するドックシェルターとなっている。貨物用エレベーターは常温・冷凍冷蔵倉庫に各1基、垂直搬送機は常温倉庫に3基、冷凍冷蔵倉庫に4基を設けた。

危険物倉庫3棟も新設

1号倉庫と2号倉庫に併設する形で、危険物倉庫3棟(延床面積2892㎡、平屋建て)も新たに建設。通常保管と合わせて危険物を保管するニーズは高まっており、こうした要請に同倉庫で対応する。

このほか、敷地内にはBCP(事業継続計画)対応として非常用自家発電機や給油スタンドを新設するとともに、大型洗車機や整備作業所も設置。セキュリティ対策では、ICカードによる入退室管理や監視カメラを完備した。さらに、加須PDセンターの全棟でLED照明を採用し、1号倉庫と2号倉庫の屋上には太陽光パネルを設置して太陽光発電によるCO2排出量削減にも貢献。「働きやすい職場環境」の実現に向けては、9月をめどに2号倉庫内に従業員食堂をオープンするほか、下期には保育所も開設する予定としている。

常温、冷凍冷蔵、危険物倉庫の併設は初

9日には2号倉庫で施設見学会と竣工祝賀会が催され、祝賀会で挨拶に立った福田社長は「今期7拠点目の新設センターであり、本施設の開設で埼玉県内の倉庫面積は40万㎡となった。首都圏への物流が脚光を浴びる中、埼玉でのセンター計画はまだ沢山ある」とさらなる拠点増設への意欲を示すとともに、「2号倉庫はセンコーとランテックによる初めての共同倉庫であり、同一敷地内に一般倉庫と冷凍冷蔵、危険物倉庫が併設されるのはセンコーグループとしても初の試み。2号倉庫はまだ40%空いているのでぜひ活用して欲しい」とアピールした。

さらに、国内物流事業の現状にも触れ「西日本豪雨で九州~本州間の幹線輸送は大変混乱し、こうした状況は毎年続くと見ているが、東海道でこのような災害が起きれば日本の物流は麻痺してしまう。今後は海や船舶を利用する物流に力を入れ、大分、神戸、大阪、名古屋、清水、横浜、東京、常陸那珂、苫小牧港を結ぶ輸送幹線網を自社で作り、海上輸送の利用を進めていきたい」と話した。

続いて、来賓を代表してフタムラ化学の伊藤公一・常務取締役PF生産物流本部長が「当社製品の9割がセンコーの倉庫で保管・発送されており、13年には愛知県に複数あった倉庫を集約した最重要拠点を建設していただいた。長年、BCPと配送の2極化の観点から関東地区に拠点を持ちたいとの強い思いがあり、新センターは当社の関東配送センターとしての機能を十分に発揮できる」と祝辞を述べた。

また、乾杯の発声を担当した不二製油の北郷亨・生産部門ロジスティクス部部長は「センコー、ランテックとは50年のお付き合いで、品質の高さには業界から定評を得ている。先般の大阪北部地震では当社が利用する倉庫が被災し、一部、出庫ができなくなってしまい、かなりのお客様にご迷惑をお掛けしてしまった。今回の新拠点を関東のマザーデポとして使わせてもらうことで、大変重要な位置づけになると確信している」とした。
なお、加須PDセンターの1号倉庫は延床面積4万8249㎡の地上2階建て施設で、大手量販店の物流業務などを行っている。
(2018年8月14日号)


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