中計最終年度、統合効果を最大化=C&FロジHD
C&Fロジホールディングス(本社・東京都新宿区、林原国雄社長)は今期、名糖運輸とヒューテックノオリンの経営統合効果をさらに拡大するとともに、来期からスタートする次期中期経営計画の“ゼロ年度”と位置づけて、次期中期計画における新たな成長戦略の策定に着手する。現中期計画(17年3月期~19年3月期)では統合効果の創出を最重点施策として取り組んできたが、次期中期計画では積極的な投資で物流拠点の増設を進めるほか、M&Aも視野に入れる。
統合効果としては、両事業会社が持つ車両・倉庫の相互活用による内製化を進め、外注費を削減。この2年間で既に5億8600万円を創出しており、「しっかりと取り組んだ成果が出ている」(武藤彰宏専務)。17年3月期は各地域で自発的に車両・倉庫の融通を進め、18年3月期は両社の本社営業本部内に相互活用を管轄する専任の統括部長を置いて予算化し、各地域でも拠点長を集めた会議を月1回開催するなどして連携を高めたことが奏功した。今期はこれらの施策の深度化で、約2億円の効果を上積みする。
合わせて、乗務員の正社員登用と倉庫内作業員をはじめとした従業員の増加を推進。グループ全体の人事交流も視野に入れ、人事制度も一本化し、18年3月期に管理職を、
今期は一般職を対象に新人事制度へと移行している。組織面では、事業会社のコーポレート部門をホールディングスへ集約して一体運営へとシフトするほか、経理システムの統合で財務会計のスピードアップと管理会計の品質・精度向上も図る。
その上で、次期中期計画では個社単位の事業拡大のみならず、チルド・フローズンを得意とする両事業会社が組むことで生まれる『プラスα』の価値を新たな強みとした成長戦略を描く。さらに、「次期中期計画は投資の3年間になる」(武藤氏)として、物流拠点の新・増設も計画。20年から21年にかけて名糖運輸が埼玉県所沢市で、ヒューテックノオリンが大阪府箕面森町で、それぞれ新拠点の竣工を予定するが、このほかにも複数の拠点を開設する見込みだ。
M&Aについても、次期中期計画ではより具体的にフォーカスする事業領域を定めることで、実現へのスピードアップを図る。
C&FロジHDでは、経営統合後の第1弾となる現中期計画において、「倉庫や人材、車両などのインフラがタイトな状況となっている」として、案件獲得による売上増よりも、インフラの相互活用による業務の内製化や人材確保、機能整備に注力してきている。一連の施策が一定の成果を挙げている状況を受けて、次期中期計画では積極的な投資に踏みだすもの。
なお、18年3月期における連結業績は、売上高1041億6700万円(前期比0・3%増)、営業利益38億4500万円(0・1%増)、経常利益39億8100万円(1・1%増)、純利益は26億400万円(2・8%減)。労務費の増加や燃料価格の高騰などのコストアップ要因を、統合効果による外注費削減が吸収した。また、一部の既存顧客との料金交渉も進んだ。
19年3月期の連結業績予想は、売上高1073億円(3・0%増)、営業利益39億円(1・4%増)、経常利益42億円(5・5%増)、純利益25億円(4・0%減)。名糖運輸のコンビニエンスストア物流で城南営業所(17年10月開設)がフル稼働するとともに、新潟エリアで新規業務も開始(18年4月)。ヒューテックノオリンでも共同配送の既存支店による新規寄託者の獲得や、問屋物流で配送エリア拡大があり増収を見込む。利益面でも引き続き、統合効果が発揮される見通し。
(2018年6月7日号)