賃上げ“満額回答”で妥結=ヤマト労使/春闘交渉
春闘交渉を進めていたヤマト労使は15日、正社員の賃金引き上げについて、組合側が要求に対し満額の「1人平均1万1000円」で合意した。賃上げ率は3・6%で、前年の妥結額から4662円のアップとなった。
内訳は定期昇給相当分が2103円(前年差32円増)、基本給引き上げ(ベースアップ相当)が2503円(同1689円増)、働き方改革関連(制度改正分)が6394円(同2941円増)。
パート組合員の時給引き上げでは、2017年度の実績とした1人平均42円のアップを実施済み。18年度はこれを踏まえ、引き続き定昇に相当する引き上げを行うとともに、新規採用と既存社員の賃金逆転が起きないよう時給引き上げを行うことで合意した。
このほか、会社側が経営の中心に据える「働き方改革」の推進について、①年間総労働時間計画を2400時間にする(前年差48時間減)、②年次有給休暇の取得率70%を目指す、③セールスドライバー(SD)の夕方以降の業務負荷を低減しつつ、夜間配達ニーズに応えるため、アンカーキャストを積極的に確保する、④フルタイムのSDはすべて正社員として採用する、⑤有期労働契約社員について、法定の5年を待たずに無期労働契約に転換できる制度を導入する、⑥高年齢社員の働き方を検討する――の各項目で労使が合意した。
(2018年3月22日号)