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【EC物流】楽天と千葉市が ドローンの宅配利用を目指す

2017.12.12

楽天グループでドローン管制システム(UTM)を開発する楽天AirMap(本社・東京都世田谷区、向井秀明社長)は7日、都内で記者会見を開き、ドローン管制システム「AirMap(エアマップ)」の提供を同日から開始したと発表した。会見には、同社の向井社長、同社事業開発部長・陰山貴之氏、同システムを開発した米国Airmap社のベン・マーカスCEO、千葉市総合政策局国家戦略特区担当局長・稲生勝義氏らが出席した。

楽天Airmap の向井社長は「AirMapはドローンの飛行エリアの空域管理者向けのクラウドシステム『空域管理ダッシュボード』とドローン操縦者向けの『専用アプリAirMap』で構成されたUTMシステムで、空域管理者と操縦者の簡易・迅速なコミュニケーションを可能とした」と述べ、陰山部長は「ドローン操縦者は同システム専用アプリを使用することで、①飛行可能エリアの検索②フライトプランの作成・申請③飛行エリアの規則・気象情報の確認④プロフィールの登録とフライトログの管理――などが簡易に行える。また、空域管理者は、①飛行可能エリアの作成・編集②ドローン操縦者が作成したフライトプランの確認や承認の可否③操縦者情報の確認④ショートメッセージサービス(SMS)を利用した迅速な通知――などが可能となる」と説明した。同社ではドローン操縦者による専用アプリ利用は当面無料としている。

一方、千葉市では、16年1月にドローンの活用を進める国家戦略特区の指定を受け、幕張地区(同市美浜区)でドローンを使った宅配便配送の実証実験などを続けている。市内企業のドローン技術開発や市外企業の千葉市への進出を促進するため人口集中地区から外れた市有地3ヵ所にドローンフィールドを開設し、AirMapを導入。13日からシステム運用を開始する。地方自治体が管理空域でUTMシステムを使用し、ドローン飛行を管理するのは日本初の取り組みとなる。

同市では将来、都心部の物流施設から発送される小口・軽量貨物の配送などでドローンが活用されることを視野に入れ、ドローンフィールドを活用した物流のパイロット事業を招致したい考え。ドローンフィールドの利用希望者は千葉市に事前登録し「専用アプリAirMap」を使用して飛行申請を行う必要がある。
千葉市の登録窓口は、総合政策局総合政策部国家戦略特区推進課。
https://www.city.chiba.jp/sogoseisaku/sogoseisaku/tokku/tokku_dronefield.html
(2017年12月12日号)


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