改善見られるも8割「運賃低い」=東ト協連/運賃動向調査
東京都トラック運送事業協同組合連合会(東ト協連、椎名幸子会長)はこのほど、第39回「運賃動向に関するアンケート調査」の結果を公表した。アンケートは200事業者を対象に行われ、168事業者(84・0%)が回答。前回調査(1月31日)から6ヵ月後の7月31日に実施した。
調査結果によると、現在収受している運賃料金について、希望よりも「低い」と答えた事業者は、「極めて低い」「低い」「少し低い」を合わせて84・2%となった。前回調査時から1・6pt減少したものの、厳しい状況が持続しているようだ。
一方で、最近半年間の運賃収受状況の変化については、「値上げになった」が前回から11・7pt増加して31・7%となり、収受状況には改善の傾向がうかがえる。これから半年後の運賃収受状況に関しては、「特に変わらないと思う」が前回に引き続いて最多の66・1%となる一方、「値上げできるだろう」は24・2%となり、2割以上の事業者が収受状況の改善に期待感を高めている。
運賃交渉、4割が「認められなかった」
国土交通省が告示した標準的な運賃に関しては、「適用したい」が44・2%で6・4pt減少。一方で、「適用したいができない」は24・2%、「適用できるかわからない」は18・8%の合計43・0%となり、4割以上の事業者が適用の難しさを実感している。
届出状況については「届出した」が77・2%で最多となり、前回から5・9pt増。「これから届け出る予定」(9・9%)と合わせて計87・1%の高水準となり、大半の事業者が届出に積極的な姿勢を見せた。一方で、交渉の結果では「認められなかった」が40・5%で前回から17・9ptの大幅な増加となり、「継続し交渉中」(40・5%)と並んで最多だった。「認められた」と答えた事業者は14・3%で11・5ptの減少となるなど、交渉の難しさが際立つ結果となった。前回調査時では「認められた」が13・7pt増、「認められなかった」が7・7pt減だったこともあり、全体の交渉結果は不調に転じている。
3割の事業者が荷動きの悪化を実感
半年前と比較した荷動きの状況に関しては「かなり悪くなった」が4・2%、「悪くなってきている」が30・1%で合計34・3%となり、前回から12・3ptと大幅に増加しており、荷動きの悪化がうかがえる。半年後の荷動きについては、「ほとんど変わらない」が56・9%(6・1pt減)と最多で、過半数の事業者が現状維持を見通している。一方で、「活発になる」が15・0%で6・5pt増加するなど、一部の事業者は荷動きの活発化に期待を寄せている。
50歳以上のドライバーが過半数、高齢化進む
ドライバーの平均年齢では、「50歳以上~55歳未満」が38・0%で前回に続いて最多となり、次いで「45歳以上~50歳未満」が32・5%だった。続いて「55歳以上~60歳未満」(13・3%)、「40歳以上~45歳未満」(9・0%)、「60歳以上~65歳未満」(4・2%)、「35歳以上~40歳未満」(1・8%)となった。「35歳未満」は0%だった。50歳以上が占める割合は56・7%と前回より1・7pt増加し、高齢化が一層進んでいる。
「24年問題」、3割の事業者が対応に遅れ
今回の調査から「2024年問題」に関するアンケートも実施した。対応状況については、「手立ての方法・手段が見つからない」が34・0%となり、3割の事業者は「24年問題」への対応に遅れが生じている。また、「一部実施(検証・試行中を含む)」が32・7%、「荷主と協議中」が31・4%であり、「対応済」はわずか1・9%にとどまった。ドライバーのベースアップに関しては「行った」が最多の35・5%、「行う予定」が13・8%で合計49・3%となるなど、約半数の事業者がドライバーの待遇改善に前向きな姿勢を見せた。なお、賃上げ額の平均は7700円だった。一方、「行わない」は23・0%となり、2割の事業者は賃上げに消極的だった。
(2023年10月24日号)