読売ロジスティクス、チャットボットで輸送依頼を受付け
読売新聞東京本社の物流子会社である読売ロジスティクス(本社・東京都江東区、津田歩社長)は、チャットボット機能を活用した配送依頼の受け付けを3月から開始した。同社ホームページ(HP)に開設されたチャットボットに「集荷場所」を入力すると、近隣を運行している新聞輸送便を候補として表示する。同社の津田社長は「新聞輸送ネットワークというインフラを有効活用してもらうための〝入り口〟になれば」と語る。
読売新聞東京本社ではこのほど、管内で運行する新聞輸送便の運行状況を見える化するため「輸送情報データベースシステム」を構築。チャットボットはこのデータベースをもとにしている。対象エリアは北海道などを除く東日本が中心で、コース数は朝夕刊合わせ約860。このうち1都3県の首都圏では約640コース、東京都内では約240コースが設定されている。
利用方法は、依頼者が読売ロジのHP内にある「配送のご依頼は」のページを開くと、チャットボットが表示される。そこをクリックして「集荷場所」を入力すると、集荷場所の近隣に配送コースが設定された便がすべて表示される。集荷場所からの距離は5㎞、10㎞、15㎞の3段階で検索することができる。実際に配送を依頼する場合は、別途連絡や調整が必要となるが、「気軽に検索できる機能を設けたことで、輸送依頼の間口を広げる狙いがある」(同)という。また、新聞輸送便以外にも新聞販売店にチラシを運ぶ便などもあるため、「メールや電話などでも相談してほしい」とする。
同社は読売新聞東京本社の100%子会社として2020年6月に設立され、同年11月から事業を開始。各地の新聞販売店に朝夕刊を定時輸送する緊密なネットワークを活用した輸送サービスを業務の柱としている。例えば「ラウンド便」と呼ばれるサービスでは、新聞販売店への配送を終えたトラックがそのまま別の荷物を集荷・配送する。主に午前3時ごろまでに朝刊の配送を終えたトラックが、開店前の店舗向けに商品を配送するパターンをイメージしている。すでに首都圏を中心に大手アパレルメーカーの店舗向け配送を受託している。
また、同社は日本パレットレンタル(JPR)が展開している共同輸送マッチングサービス「TranOpt(トランオプト)」にも参画して、同サービスに新聞輸送ネットワークを登録。すでに成約に結び付いた案件もあるという。
同社はこのほか、自社でトラックを保有して自社輸送も展開しており、現在は10台(2t車3台、3t車5台、4t車2台)体制で輸送業務を行っている。
(2023年5月9日号)