【物流会社】SGH/17年3月期は売上高1・4%減、営業利益8・4%減
SGホールディングス(本社・京都市南区、栗和田榮一会長)の2017年3月期連結業績は、売上高が前期比1・4%減の9303億500万円、営業利益が8・4%減の494億7400万円、経常利益が2・6%減の512億800万円、当期純利益が16・3%増の284億5200万円となり、減収減益だった。主力のデリバリー事業は増収増益を確保したものの、15年度に実施した不動産流動化の反動減があったことから収入、利益とも前年を下回った。
セグメント別の業績では、デリバリー事業の売上高が2・3%増の7381億8600万円、営業利益が3・2%増の396億4700万円。期中の飛脚宅配便の取扱個数は1・7%増と増加したほか、グループ横断的な営業戦略チーム「GOAL」による事業拡大、スマート納品をはじめとする戦略商品の拡販などにより増収となった。また、適正運賃収受の継続的な取り組みにより、3月末時点での宅配便単価は前期比2円増の511円となった。
ロジスティクス事業の売上高は3・2%減の1104億7100万円、営業利益は27・9%減の7億8600万円。国内では「GOAL」による事業拡大や越境EC市場の拡大などがあったものの、為替影響による減収が大きく減収減益となった。
不動産事業の売上高は63・2%減の175億1300万円、営業利益は49・8%減の51億4600万円。15年度に実施した不動産流動化の反動減により大幅な減収減益となった。
その他事業の売上高は6・8%増の641億3400万円、営業利益は14・4%増の57億400万円。新車販売の増加に加え、自動車整備や燃料販売、人材サービスなどが好調に推移した。
■決算日を3月20日から31日に変更へ
18年3月期の業績予想は、売上高1兆円、営業利益580億円、経常利益600億円、当期純利益330億円で大幅な増収増益を見込む。これは、従来3月20日だった決算日を3月31日に変更するため、18年3月期に関しては、国内で11日間、海外法人に関しては12月末から3月末までの3ヵ月間、営業日数が増えることによるもの。同社では延長に伴う業績寄与分を、売上高で430億円、営業利益で12億円、経常利益で11億円、当期純利益で3億円と見積もっている。なお、決算日の変更は6月9日開催の株主総会での承認が前提となる。
■「飛脚宅配便」は1・7%増に
佐川急便が取扱う「飛脚宅配便」の16年度の取扱個数は前期比1・7%増の12億1821万個だった。また、「飛脚航空便」は0・2%増の793万個、「飛脚クール便」は11・1%増の3601万個だった。
このうち「eコレクト」の取扱個数は1・2%減の1億413万個、決済金額は2・0%減の1兆999億円だった。
メール便の取扱冊数は17・3%減の2億469万冊。このうち「飛脚メール便」は12・4%減の4088万冊、「飛脚ゆうメール便」は18・5%減の1億6380万冊だった。
1日に会見したSGホールディングスの笹森公彰執行役員(経営企画担当)は、今期の宅配便の取扱個数と単価について「取扱個数については前年並みの伸び、単価については大口顧客との交渉などを通じて7円程度の伸びを見込んでいる」と述べた。また、ヤマト運輸が宅急便基本運賃の改定を打ち出したことについては「ヤマトさんの値上げ方針とは関係なく、従来から続けている適正運賃交渉を引き続き継続していく」とした。
■中期経営計画の数値目標を修正
同社は16年度からスタートした中期経営計画「First Stage 2018」の数値目標を修正した。労働力不足の加速を受け、人件費や外注費が増加していることに伴うもので、追加重点施策として「働き方改革の推進」と「ガバナンス強化」を進めていく。
最終年度となる19年3月期の目標数値については、連結売上高1兆円を9800億円に、連結営業利益620億円を565億円にそれぞれ修正した。
(2017年5月9日号)