中越運送が「中部ロジスティクスセンター」を開設
中越運送(本社・新潟市中央区、中山元四郎社長)は11日、愛知県一宮市に「中部ロジスティクスセンター」を開設し、12日から営業を開始した。総投資額は約19億円で、営業倉庫とTC(通貨型拠点)、路線便の3機能を備えた複合拠点。県外では同社最大の埼玉ロジスティクスセンター(埼玉県加須市)に次ぐ規模となり、中京・関西圏で初の営業倉庫となる。今月末には改正物流総合効率化法の計画認定も取得する予定としている。
中部ロジスティクスセンター(写真)は敷地面積約1万1900㎡、延床面積約8900㎡の3階建て。1階に全天候ヤード約2800㎡と荷捌き場約2800㎡を備えるとともに、倉庫部分は1~3階で計約5000㎡となる。ターミナルは高床両面バースで電動シャッターを設置。集配車両14台、運行車両12台が接車可能で、大型車両用のドックレベラーも12台分設けた。倉庫内は垂直搬送機1基と荷役用エレベーター2基が稼働する。倉庫内従業員数は約60人で、車両は大型車6台、4t車24台、2t車3台、1t車3台の計36台を配備する。
路線便を中心に扱っていた名古屋営業所(名古屋市西区)を移転拡張したもので、移転前と比べて荷捌き場は約1・5倍、敷地面積は約3倍に増強。名古屋営業所は施設の狭隘化に加え、周辺地域への住宅の増加から2年ほど前より移転先用地を模索。新センターの立地は名神高速道路・一宮ICから約6㎞ほどとアクセス性に優れる上、小牧地区は愛知県内に製造工場を持つメーカーなどによる倉庫需要が強いことから同所を選んだ。名古屋営業所は既に売却済みにある。
中部ロジスティクスセンターは名古屋営業所の路線便機能を移転・拡張した上、全天候ヤードでスルー貨物を高品質かつスピーディに出荷可能で、愛知県内に多い住宅関連メーカーなどによる域内配送ニーズに対応。さらに、倉庫スペースも豊富に用意し、メーカーらの一時保管需要にも応える。
倉庫部分はほぼ満床状態で、食品用フィルム原紙や衛生陶器、住宅資材、ラベル素材など多岐に渡る。入庫は1月末から段階的に開始、4月末にはフル稼働する見通し。中山社長は「倉庫需要は旺盛で、今後もさらに伸びるだろう」と展望する。倉庫に路線便のターミナルが直結することで倉庫から路線便のターミナルまでの横持ちが不要になる上、中越運送と特積み会社10社の連絡運輸による全国路線便ネットワークを安定的に活用できることも、荷主企業から高く評価された。
中越運送では名古屋地区に、名古屋営業所のほか名古屋物流センター(名古屋市港区)も構えるが、新センターの稼働に伴い、同センターとの機能再編も実施。従来、名古屋営業所と名古屋物流センターで担っていた集配業務を中部ロジスティクスセンターへ集約し、名古屋物流センター(名古屋市港区)は輸入貨物のデバンニングや保管業務に特化させ、業務の効率化にもつなげる。
また、中部ロジスティクスセンターはこれまでの中越運送の施設と異なり、外観や内装などのデザインを現場主導で決定。現地の荷主ニーズを把握し、実際に施設を利用する社員の判断を最優先することで、使い勝手の良い施設を目指すとともに、現場のモチベーションアップにも期待する。
中山社長は「中部および名古屋地区は市場が拡大する可能性を持ち、とくに小牧地区は需要が大きい。施設名も“中部”ロジスティクスセンターと壮大な名称にしたので、中部地域を伸ばして会社全体の事業を背負う規模になってほしい」と期待を語った。
「新しい中部地区の歴史を」と小林会長
11日に催された開所式には、本社役員や中部ロジスティクスセンターの従業員が参加した。小林和男会長は従業員らに対し、「これまでの当社施設とはまた違ったイメージの、本当に素晴らしい施設が完成した。それに相応しい会社になるとともに、皆さんも相応しい一人ひとりを目指してほしい。そうすれば自ずと結果はついてくる。会社でも常に注目していくので、ぜひ会社を引っ張る拠点にしてもらいたい。そして、安全で、生き生きと、立派に運営し、新しい中部地区の歴史を立派に作ってほしい」とエールを送った。
(2020年2月18日号)