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東京都が物流TDM実行協議会を発足

2020.01.30

東京都は東京オリンピック・パラリンピックに向け、中小企業の物流対策促進を主な目的とした「2020物流TDM実行協議会」を発足し、24日に第1回総会を開催した。協議会には関係行政のほか中小企業の団体、トラック協会などが参加。今後、物流TDMについて総合的な実施計画を策定し、周知・対策の範囲を具体化するとともに、商店街でのプロモーション活動や物流専門家の派遣などを予定している。

19年のスムーズビズ推進期間(7月22日~9月6日)の取り組みの結果、交通量は一般道路では前年度比平均約4%減少。納品時期または時間の変更など物の流れに関する取り組みの実施率は10%未満にとどまった。物流対策としてのTDMに取り組む予定のない企業の割合は約4割で、うち約8割が従業員100人以下の中小企業だった。

中小企業・商店に対し丁寧な発信をしていくため、現場事情に精通した実務担当者で構成される新たな協議会を設置。経営者や商店主に対し、業種業態別の実態に合った取り組み内容、周知方法などを議論し、実行する。経済団体のみならず企業等と顧問などが直接かかわるネットワークも活用。専門家の個別相談も行う。

協議会の会長には流通経済大学の苦瀬博仁教授が就任。国(内閣官房、農林水産省、経済産業省、国土交通省、中小企業庁)、経済団体(東京商工会議所、東京都中小企業団体中央会、東京都商店街振興組合連合会、全日本トラック協会等)、士業団体(社労士会、中小企業診断士協会、税理士会)が委員として参加している。

今後の取り組みでは、経済団体等、各団体、集積地へのポスティングの実施、都内の商店街振興組合連合会等、社労士・中小企業診断士・税理士を通じて周知するほか、顧問先への訪問時にチラシ等を配布。物流に通じた専門家を中小企業に派遣し個別相談を受け付ける。商店街でプロモーション活動も行う。

協議会では企業・商店などの集積地をピックアップしており、「卸売業」では中央区日本橋横山町、馬喰町、台東区浅草等、「繁華街」では新宿、渋谷、池袋、銀座、浅草のほか郊外鉄道線駅前商店街等、「印刷・製本関連製造業」では新宿山吹町、早稲田鶴巻町等、「金属製品製造等」では大田区、江戸川区、葛飾区等が挙げられている。
(2020年1月30日号)


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