トランコムが空車情報の絶対量を確保へ
トランコム(本社・名古屋市東区、恒川穣社長)は、今後1年で物流情報サービス(求荷求車サービス)の拠点である情報センターを5ヵ所程度新規開設する。ドライバー不足の深刻化で、貨物情報に対して空車情報の不足感が続く中、新規拠点の開設を通じて空車情報の獲得を進める。10月31日に開かれた2019年3月期第2四半期の決算説明会で、恒川社長は「年末や年度末、来年の消費増税前の駆け込み需要など、短期トレンドではトラックがつかまりづらい状況が続く」としながらも「出店ペースを加速させることで、空車情報の絶対量を増やすことは可能だ」との見通しを示した。
同社の2Q業績における物流情報サービス事業は、売上高が前期比5・0%増の404億9300万円、営業利益が3・6%増の15億3000万円。期中の成約件数は1・6%増の66万台、成約運賃単価は前期比2・6%上昇するなど堅調だった。ただ、貨物情報件数は2ケタ増と好調に増えている一方、空車情報件数は前年割れが続くなど車両不足感が顕著になっており、とくに7~9月期は西日本豪雨による極端なトラックもあり、空車情報が11・3%減となった。
こうした状況を受け、今後は新規出店によるサービスエリアの拡大を進めることで、空車情報の潜在需要を掘り起こしていく。同社の情報センターは現在、全国に28ヵ所あるが、今後1年かけて5ヵ所程度開設する計画。「この3年間ほど、新規出店がほとんどなかったが、今後は出店ペースを加速していく。地方ごとに、エリア内の配車マン同士でのやりとりがあり、そうした情報を取り込むことは可能だ。また、東名阪などの大都市圏でも、まだまだ出店余地はある」(恒川社長)と述べた。
また、期中にはICTを活用したパートナー向け業務支援サービス「みんなのコンパス」を稼働させた。「今後は新規出店によるリアルチャネルの基盤強化と、ICT高度化の2本立てで事業を強化していく」と語った。
このほか、今年6月に締結した丸和運輸機関との資本業務提携について、「お互いの事業領域がかぶっていないことに意味がある。両社とも成長が始まって10年、15年の若い企業であり、長い目で相互理解と協業を深めていく」と述べた。
2Q業績は営業利益18%増に
同社の2Q業績は、売上高が5・7%増の733億4500万円、営業利益が18・4%増の29億8300万円、経常利益が19・4%増の29億7800万円、純利益が33・4%増の20億100万円となり、増収増益。物流情報サービスを除くセグメント実績は、ロジスティクスマネジメント事業の売上高が8・4%増の248億9300万円、営業利益が7・5%増の13億3400万円と好調だった。一方、インダストリアルサポート事業は、売上高が9・6%減の37億6700万円、営業利益が300万円の赤字になるなど不振だった。
通期では、売上高1493億5000万円(前期比5・4%増)、営業利益65億円(9・3%増)、経常利益64億5000万円(9・2%増)、当期純利益43億4000万円(19・8%増)と増収増益を見込むが、売上高、各利益とも当初予想値から下方修正した。
(2018年11月8日号)