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農産品流通のパレット規格統一を提言=国交省/農水省

2020.05.07

国土交通省と農林水産省の「食品流通合理化検討会」は4月28日、農産物や花きなどの流通合理化に向け、パレット化や輸送機材の規格統一が必要であるとする中間とりまとめを公表した。パレットに適合する段ボールの規格化にも言及し、年内に6件を予定している実証事業を通じて課題や有効性を引き続き検討する。

パレットに適合する段ボール、青果物の規格化を

両省は経産省と連携し、昨年11月に発荷主・着荷主、物流事業者、地方自治体などで構成する食品流通合理化検討会を発足。このほど第1次中間取りまとめを発表した。
農産物・花きなどの輸送では、手荷役を軽減し、機械荷役を推進するためにはパレット化が必須とし、パレット・台車などの規格統一や管理・回収体制の構築、パレタイザーの整備を行う。パレット化による積載率低下を抑えるため、パレットに適合する段ボール、青果物の規格を検討する。

多頻度輸送の要因となり、物流事業者の負担になっている小口ニーズ対応では、宅配便会社との連携や高速バスなどを利用した貨客混載の拡大、ドローンの活用などを推奨。荷待ち時間の削減に向け、事前出荷情報の提供やトラック予約受付システムの活用促進を図り、運賃以外の附帯作業料や待機時間料の適正収受を浸透させることが重要だとした。
水産物については、水漏れや臭気の発生を防ぐ梱包容器や品目混載を可能とする輸送方法の開発をはじめ、パレット、カゴ台車など輸送機材の規格統一や回収・管理体制の構築、パレットに適合する段ボール規格の検討が必要だとした。

入荷検品レス、一貫パレチゼーションなどを検証

実証事業は、エムスクエアラボによる「生鮮食品の長距離幹線スイッチ輸送の合理化」、加藤産業による「入荷検品レスの推進」、全農物流による「農産物輸送のパレット化による手荷役時間の削減」、トランコムと丸紅ロジスティクスによる「食品業界の一貫パレチゼーションの実現」、トランコムによる「連結トラックを活用した共同輸配送、パレット管理システムの構築」、ヤマト運輸(新潟主管支店)による「青果物少量多品目輸送の効率化」の6件。

実証事業は年内に実施し、効果を取りまとめた上で公表実証で得られた知見やノウハウを、荷主、事業者、自治体などへ向け、広報活動などを通じて展開する予定。なお、新型コロナウイルス感染拡大の状況を踏まえ、事業内容が変わる可能性がある。
(2020年5月7日号)


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