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【トラック輸送・物流】トラック運転手24万人分不足に!? 27年には需要の4分の1が足りず

2017.11.14

日本のトラックドライバーの労働力は2027年に、96万人の需要に対して24万人分足りなくなる――米系のコンサルティング会社ボストンコンサルティンググループが発表した調査レポートでこんな数字が算出された。10年後の27年には、必要となるトラックドライバーの4分の1が不足しているという分析だが、その対策について同調査では「モーダルシフトや規制緩和、再配達対策だけでは日本の物流の危機的な状況の打開は難しい」と警鐘を鳴らす。

レポートでは現在のトラックドライバー数を約83万人とした上で、27年のトラックドライバー需要が現在より13万人増えると予測。その背景にはドライバーの労働環境改善や通販などの荷物量の増加、積載効率の低下があると指摘した。一方でドライバー人口そのものは、少子高齢化とドライバーへの就業率の低下から、今よりも11 万人減少すると推計した。

必要となるトラックドライバーの人数が増える主な要因としては、ドライバーの労働環境改善で9万人分、荷物量の増減で7万人分、積載効率の低下で2万人分が増加すると試算。同調査では、幹線道路での自動運転車の活用やモーダルシフト、再配達対策が進んでも、こうした労働力需要の増加を2割しか吸収できないと結論付けた。

調査は総務省の「労働力調査」「人口推計」や厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」「トラック輸送状況の実態調査より」、国土交通省の「物流を取り巻く現状について」「宅配の再配達削減に向けた検討について」「自動車関係情統計」、全日本トラック協会の「日本のトラック輸送産業現状と課題」などのデータを用いて分析したもの。
(2017年11月14日号)


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