大ト協/景況感調査 燃料サーチャージ、「収受」は2割
大阪府トラック協会(中川才助会長)はこのほど、2022年4~6月期の景況感調査の結果を公表した。荷動き上昇が見られない中、軽油価格の高騰が続き、前年同期比で景況感が「悪化」している事業者の割合は6割弱に上った。燃料サーチャージを収受できている割合は2割程度で、運賃・料金の水準については7割が「横ばい」と回答。ドライバーの過不足状況では、「不足」が5割だった。
4~6月期は、感染力の強い新型コロナウイルス(BA5)の感染拡大やロシアのウクライナ侵攻等国際情勢の悪化により、経済活動が停滞。トラック運送業界における景気の好転は見られなかった。
実働率は前年同期比で「低下」(45・3%)が「上昇」(15・1%)を、実車率も「低下」(34%)が「上昇」(15・1%)を上回った。輸送数量全体は「減少」が49・1%、「増加」が13・2%、「変わらない」が37・7%だった。
荷動き上昇傾向が見られなかったのは、5~6月コロナの鎮静化による経済活動の活性化があったものの、原油価格の高騰や急激な円安による輸入物価の上昇の影響により、国内の経済状況が鈍化したためだと考えられる。
燃料サーチャージについて「収受できている」は22・6%。「交渉・検討中」が41・5%、「収受できていない」が32・1%だった。少しずつではあるが、燃料サーチャージの交渉を行っている事業者が増えている。
一方で、「輸送数量を確保するため、燃料サーチャージの提案ができない」、「他の事業者が交渉しないので、当社だけの交渉は無理」との声もあり、現状としては交渉を行えていない事業者も多い。
営業収入(売上高)は「減少」が43・3%、「増加」が17・0%、営業利益は「減少」が45・2%、「増加」が13・2%。「運賃・料金」の水準については、「上昇」と「低下」がともに13・2%だった。
ドライバーの過不足状況は「不足」が51%、「適当」が43・4%、「過剰」は5・7%だった。業界の景況感は「悪化」が58・5%で、「好転」は9・4%。「軽油価格の高騰のために利益率が激減している」との声もあった。
(2022年8月4日号)