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関東運輸局、管内荷主8600社に協力要請文書

2022.06.23

国土交通省関東運輸局は、管内の荷主企業8600社に対し、標準的な運賃の導入や燃油高騰分の転嫁などを求める文書を5月に送付したことを明らかにした。

15日にオンラインで行われた会見で、小瀬達之局長が明らかにした。関東運輸局管内における標準的な運賃の届出件数は5月末現在で3731件、率にして20・6%で、約5割の全国平均を大きく下回る。トラック協会に未加入の事業者が多く周知活動が浸透しにくいことに加え、「コロナの長期化や燃油高騰による厳しい経済環境にある中、荷主との交渉に慎重にならざるを得ないと考える事業者も多い。また、関東管内はもともと事業者数が多いため、荷主が事業者を選べる状況にある」(小瀬氏)ことが届出が進まない背景にあるとみられる。

ただ、今後、運賃適正化によるドライバーの労働条件改善は喫緊の課題であることから、対策の強化に乗り出したもので、文書は労働局、経済産業局との連名で送付。文書には標準的な運賃の導入、適正取引阻害行為是正への働きかけ、運賃・料金を不当に据え置くことが下請法や独占禁止法の違反に該当することなどを明記した。

神奈川県は地方創生交付金で支援策

また、5月に管内の各都県・市町村に対し、地方創生臨時交付金を活用したトラック事業者への燃油価格高騰への支援を要請。その成果のひとつとして、神奈川県は中小事業者への支援策として総額24億6652万円を補正予算案に計上し、今月の定例議会に提出した。支援策の内容は、営業用トラック1台あたり2万3000円、営業用軽トラック1台あたり8000円を補助するもの。
(2022年6月23日号)


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