山九、大阪高石市臨海エリアで危険物倉庫8棟建設
山九(本社・東京都中央区、中村公大社長)は危険物倉庫を拡充する。大阪高石市臨海エリアで危険物倉庫8棟を建設する計画をこのほど正式発表。8棟のうち4棟は温度管理品にも対応する。今年度は北九州、姫路エリアでも新規の危険物倉庫が稼働し、来年度以降、四日市エリアでも増設を検討中。キャパシティーの増強により、旺盛な危険物保管需要に応えていく考えだ。
同社はメーカーの構内作業から輸送まで化学品物流分野では豊富な実績があり、「化成品3PLプロバイダー」の代表格に位置づけられる。危険物倉庫については、鹿島、千葉、四日市、周南、北九州、福岡、大分の6ヵ所で自社施設を運営し、総延床面積は約1万2000㎡。潤滑油、接着剤、塗料など消防法危険物第4類を中心に取り扱い、四日市、周南、北九州では温度管理の対応も可能となっている。
既存の施設がフル稼働しており、中長期的にも危険物の保管需要が高まると判断し、危険物倉庫を拡充。すでに危険物倉庫を運営中の北九州では、福岡県苅田町で危険物倉庫1棟(900㎡)を増設し、2022年下期稼働を予定。危険物第4類全般を扱い、一部は定温対応とし、保税蔵置場にする。北九州には、自動車関連産業が集積しており、既存の普通品倉庫に併設して危険物倉庫を新設することで、普通品、危険物の顧客への一括納品も可能になる。
関西でも危険物倉庫事業に進出。第1弾として、4月に姫路港飾磨地区で危険物倉庫1棟(1000㎡)が稼働。周辺の播磨臨海工業地帯には国内有数の化学品メーカーが立地しており、土地のオーナーが建設した危険物倉庫を山九が賃借して運営。化成品やリチウムイオン電池の引き合いが多い。危険物第2類と4類を扱い、保税蔵置場とする。
さらに、泉北エリアに位置する大阪府高石市で危険物倉庫8棟(計8000㎡)を建設し、2023年4月の開業を目指す。当初、2期に分ける予定だったが、引き合いが旺盛で集荷が順調に進んだことから、8棟を一気に建設することとした。危険物1類、2類、4類、5類のほか、毒劇物にも対応。保税蔵置場とし、4棟は温度管理品に対応する計画で多様なニーズに応えられる。
ターゲットの貨物としては、医薬品、化粧品、電子部品材料、リチウムイオン電池などを想定。危険物倉庫には大型庇(奥行き4・5m、横33m)を設置。雨天時の効率的なオペレーションも可能となる。阪神港からのアクセス性の良さや山九の海外ネットワークも活かし、輸出入貨物のストックポイントとしての活用も提案していく。
(2022年5月10日号)